上司から「うちのサイトも SEO をやって」と言われたけれど、何から始めればよいか分からない。「内部対策」「コンテンツ」といった言葉だけでは、自社のサイトのどこを直すのかが見えません。手を付ける所が決まらないまま、時間だけが過ぎていませんか。
この記事でわかること
- SEO対策の具体例16個の一覧
- 施策ごとに何をして、なぜ必要か
- 公表されている成功事例と、その施策
- やってはいけない対策と、気にしなくてよい項目
- 自社でやるか会社に頼むかの決め方
読み終えると、自社のサイトで最初に直す所を決められます。
SEO対策の具体例一覧
SEO対策の具体例は、内部対策8つ・コンテンツ5つ・外部対策2つ・計測1つの16個です。
| 種類 | 具体例 | 何のためか |
|---|---|---|
| 内部対策 | タイトルとメタディスクリプション | 検索結果で、ページの中身を正しく伝える |
| 内部対策 | サイト構造とURL | ページの置き場所を、Google と利用者に分かりやすくする |
| 内部対策 | 重複ページの整理 | 同じ内容のページを1つの URL にまとめる |
| 内部対策 | 画像のalt | 画像の中身を文字で伝える |
| 内部対策 | 内部リンク | 関連するページを見つけてもらう |
| 内部対策 | スマホ対応と表示速度 | スマホで速く、ずれずに読めるようにする |
| 内部対策 | 構造化データ | ページの中身を決まった書き方で伝える |
| 内部対策 | サイトマップとSearch Consoleでの登録確認 | ページが Google に登録されているかを確かめる |
| コンテンツ | キーワード選び | 狙う検索語を先に決める |
| コンテンツ | 検索意図に合わせた記事 | 検索した人が知りたい答えを、合う形で渡す |
| コンテンツ | 上位ページの分析と構成 | 答えるべき話題の抜けを防ぐ |
| コンテンツ | 独自の情報と更新 | 自社にしか書けない情報を足し、古い情報を直す |
| コンテンツ | 書き手と出どころの明示 | 誰が、何を根拠に書いたかを示す |
| 外部対策 | 自然に集まる被リンク | ほかのサイトから紹介される |
| 外部対策 | SNSでの発信とサイテーション | サイトの外で知ってもらう |
| 計測 | Search ConsoleとGA4での計測と改善 | 数字を見て、直すページを決める |

内部対策・コンテンツ・外部対策の違い
3つの種類は、目指すことが違います。内部対策は、Google にページを見つけて正しく読んでもらうための施策です。コンテンツは検索した人の問いに答えるため、外部対策はほかのサイトや人に紹介されるための施策です。
- 内部対策:タイトル・URL・画像・リンク・表示速度など、サイトの作りを整える
- コンテンツ:狙う検索語を決め、その語で探す人の疑問に答えるページを作る
- 外部対策:紹介したくなる情報を出し、SNS などサイトの外でも知ってもらう
3つのうち、Google がいちばん重く書いているのはコンテンツです。スターター ガイドは、魅力的で役立つコンテンツを作ることが、ガイドのほかのどの方法よりも有効だとしています。
計測は、この3つのどこを直すかを決めるためにあります。たとえば Search Console で「Google に登録されていない」と分かれば、内部対策を直します。「表示はされるが順位が低い」と分かれば、コンテンツを直します。
検索結果に出るまでの流れ
ページが検索結果に出るまでには、クロール・インデックス登録・検索結果の表示の3つの段階があります。Google の「Google 検索の仕組み」の文書では、すべてのページがこの3段階を通るわけではないとしています。
| 段階 | 何が起きるか | 主に関わる具体例 |
|---|---|---|
| クロール | Google のクローラーがページを見つけ、文字・画像・動画を取得する | 内部リンク・サイトマップ・被リンク |
| インデックス登録 | ページの中身を解析し、Google のデータベースに保存する | タイトル・重複ページの整理・画像のalt・構造化データ |
| 検索結果の表示 | 検索された語に関連するページを並べて返す | コンテンツの5つ・スマホ対応と表示速度 |
同じ文書は、掲載順位を上げるために Google が料金を受け取ることは無いとも説明しています。「お金を払えば上位に出せる」という話は、Google の説明と合いません。
内部対策の具体例
内部対策は、サイトの作りを整えて、Google がページを見つけて正しく読めるようにする施策です。8つのうち最初に確かめるのは、ページが Google に登録されているかです。確かめ方は、最後の「サイトマップとSearch Consoleでの登録確認」にあります。
タイトルとメタディスクリプション
ページごとに、中身を正確に表す短いタイトルと、要点をまとめたメタディスクリプションを付けます。タイトルは検索結果で最初に読まれる文で、ここで中身が伝わらないと、表示されてもクリックされません。
Google のSEO スターター ガイドは、良いタイトルを「そのページに固有で、明確かつ簡潔」なものとしています。メタディスクリプションも、ページごとに違う内容で、要点を簡潔にまとめることを勧めています。
| 見直す所 | 確かめること |
|---|---|
| タイトル | 全ページで同じ文になっていないか。ページの中身と合っているか |
| メタディスクリプション | 空欄や、全ページ共通の文になっていないか |
サイト構造とURL
似た話題のページを同じディレクトリ(URL の階層)にまとめ、URL には中身の分かる単語を入れます。どのページがどこにあるかが分かる作りにすると、利用者も Google も目的のページにたどり着きやすくなります。
スターター ガイドは、サイトを論理的に整理し、URL に利用者の役に立つ単語を入れることを勧めています。似たトピックをまとめると、ディレクトリごとの更新の頻度を Google がつかみやすくなる、とも書いています。今あるサイトを急いで作り直す必要は無い、という点も同じ文書に書かれています。
ページが安全な方法(https)で配信されているかも、ここで確かめます。Google の「ページ エクスペリエンス」の文書は、安全な方法での配信を、自分で点検する項目の1つに挙げています。
重複ページの整理
同じ内容のページが複数の URL にある場合は、1つの URL にまとめます。いらない URL からは、残す URL へリダイレクト(自動で転送する設定)をかけます。
スターター ガイドは、リダイレクトをかけられない場合に rel="canonical" を使うよう勧めています。canonical は、どの URL を正式なページとして扱ってほしいかを Google に伝える書き方です。同じ文書は、Google が自動で正式な URL を選ぼうとするため、重複を過度に心配する必要は無いとも書いています。
画像のalt
画像は関連する文章の近くに置き、alt(代替テキスト)に画像の中身を書きます。スターター ガイドによると、画像の近くの文章と alt は、Google が画像の意味をつかむ手がかりになります。
スターター ガイドは、alt を「画像とコンテンツの関係を簡潔に説明するもの」としています。たとえば料金表の画像なら、alt は「画像」ではなく「SEOコンサルティングの月額の料金表」のように中身を書きます。
内部リンク
関連するページどうしをリンクでつなぎ、リンクの文言(アンカーテキスト)はリンク先の中身が分かるものにします。Google のクローラーはリンクをたどってページを見つけます。どこからもリンクされていないページは、見つかりにくくなります。
スターター ガイドは、アンカーテキストがリンク先の中身を利用者と Google に伝えるとしています。「こちら」「詳しくはこちら」だけのリンクは、リンク先が何のページかを伝えられません。「SEO対策の費用相場」のように、リンク先の題名や中身を文言にします。
スマホ対応と表示速度
スマホで読みやすい作りにし、表示を速くし、読み込み中に画面がずれないようにします。Google はスマホ版のページを見て、登録と順位づけを行っているためです。
根拠は、Google の「モバイル ファースト インデックス」の文書です。同じ文書は、スマホ版にもパソコン版と同じ中身を載せるよう勧めています。作りは、実装と保守が最も簡単なレスポンシブ デザインを勧めています。レスポンシブ デザインは、画面の幅に合わせて同じページの見た目が変わる作りです。
表示の速さと安定は、Google の「Core Web Vitals」という3つの指標で測れます。Google の文書は、次の値を「良好」の目安としています。
| 指標 | 何を測るか | 良好の目安 |
|---|---|---|
| LCP | 読み込みの速さ(いちばん大きな要素が表示されるまで) | 2.5秒以内 |
| INP | 操作への反応の速さ | 200ミリ秒未満 |
| CLS | 表示のずれ(読み込み中に文字や画像が動く量) | 0.1未満 |
Core Web Vitals は、Google のランキングシステムが考慮する要素の1つです。ただし「ページ エクスペリエンス」の文書によると、検索は関連性の高い中身を常に表示するように作られています。表示の体験が平均を下回るページでも、それは変わりません。表示速度を直す前に、ページが検索した人の問いに答えているかを先に確かめます。
自社のページの値は、Search Console の「Core Web Vitals」レポートで見られます。
表示のずれを直して利用者の行動が変わった例に、Yahoo!ニュースがあります。表示を速くして検索からの流入が増えた例に、日本経済新聞社があります。どちらも後半の「公表されているSEO対策の成功事例」で紹介します。
構造化データ
構造化データは、ページの中身(レシピ・イベント・商品など)を、検索エンジンが読み取れる決まった書き方で伝えるものです。Google の「構造化データの仕組み」の文書によると、この情報はリッチリザルトの表示に使われます。リッチリザルトは、レシピの評価などを添えた目立つ表示です。
同じ文書は、書き方に JSON-LD を勧めています。利用者に見える文章の間にマークアップを挟まずに書けるため、入れるのも保つのも楽な形です。
| 確かめる場面 | 使うもの |
|---|---|
| 公開する前 | リッチリザルト テスト |
| 公開した後 | Search Console のリッチリザルトのステータス レポート |
| 1ページずつ | Search Console の URL 検査ツール |
構造化データを入れても、リッチリザルトが必ず出るわけではありません。Google の文書は、ガイドラインに合わない構造化データはリッチリザルトとして表示されない場合があるとしています。
楽天レシピと Eventbrite が構造化データを入れた例は、後半の成功事例で紹介します。
サイトマップとSearch Consoleでの登録確認
自社のページが Google に登録されているかを確かめ、登録されていなければ原因を直します。登録されていないページは、どれだけ中身を整えても検索結果に出ません。
スターター ガイドが挙げている確かめ方は、次の3つです。
- Google で
site:自社のドメインと検索し、ページが出るかを見る - 重要な URL をまとめたサイトマップを Search Console から送る(必須ではないと書かれています)
- Search Console の URL 検査ツールで、ページが Google からどう見えているかを確かめる
登録されなかったページと理由は、Search Console の「ページ インデックス登録」レポートで見られます。理由には、robots.txt でのブロック、noindex の指定、重複による別ページの採用、404 などがあります。
コンテンツの具体例
コンテンツの施策は、検索した人の問いに答えるページを作ることです。狙う語を決めてから、その語で探す人が欲しい答えを、上位のページより抜けなく、自社にしか書けない情報を足して書きます。
キーワード選び
記事を書く前に、どの検索語で上位を狙うかを決めます。中小機構が運営する J-Net21 も、対策の前にいちばん大事なのは、狙う語を決めることだとしています。
同じページによると、検索数の多い1語は競争が激しく、上位に出るのが難しい語です。そこで、その1語を含む組み合わせの語を勧めています。組み合わせの語で探す人は、要望がはっきりしているためです。
| 狙う語の例 | 検索する人 |
|---|---|
| SEO | 何を知りたいかがまだ広い |
| SEO対策 具体例 | 何をすればよいかの一覧を探している |
| SEO対策 費用 | 頼むときの金額を知りたい |
Google のスターター ガイドも、利用者が探すときに使いそうな語を想定することを勧めています。ただし Google は言葉の関連を読み取れるため、まったく同じ語句をページに書く必要は無いとしています。
検索意図に合わせた記事
狙う語で検索する人が何を知りたいかを先に見極め、それに合わせて答えの形を決めます。同じ「SEO」を含む語でも、知りたいことが違えば、合う答えの形も変わります。
| 検索する人が知りたいこと | 合う答えの形 |
|---|---|
| 何をすればよいか | 一覧表と、1つずつの説明 |
| どの順で進めるか | 番号つきの手順 |
| いくらかかるか | 金額の幅と内訳の表 |
| どれを選べばよいか | 比べる項目をそろえた比較表 |
1ページに別々の問いを混ぜると、どの問いへの答えも浅くなります。「費用」と「具体例」のように問いが違う語は、ページを分けて書きます。
上位ページの分析と構成
狙う語で実際に検索し、上位のページを読んで、扱われている話題を書き出します。書き出した話題を、自分のページのどの見出しで扱うかを決めてから構成を作ると、検索した人が期待する話題の抜けを防げます。
FIZ が自社のコラムで記事を作るときは、次の手順で構成を決めています。
- 狙う語で検索し、上位から記事の形のページを5件そろうまで1件ずつ読む
- 5件が扱っている話題を一覧にする
- 一覧の1行ずつに、自分の記事のどの見出しで扱うかを書く。扱わない話題には理由を書く
- 上位のどのページにも無い、自社にしか書けない情報を足す
読むときは、話題だけでなく、答えをどの順で渡しているか(一覧が先か、定義が先か)も書き出します。
独自の情報と更新
ほかのページに無い、自社の知識や経験にもとづく情報を足します。公開した後も定期的に読み直し、古くなった情報は直すか削除します。
スターター ガイドは、他人の文章をコピーせず、自分の知識にもとづいて書くことを勧めています。古くなった内容は更新し、的外れになったものは削除するよう書いています。
| 自社にしか書けない情報の例 | 足し方 |
|---|---|
| 実際に使ったときの手順 | 画面や作業の順番を書く |
| 自社で取った数字 | いつ・何を測ったかを添える |
| 顧客から実際に受けた質問 | よくある質問に足す |
書き手と出どころの明示
誰が書いたか、情報の出どころはどこかを、ページの中で示します。スターター ガイドは、専門知識を持つ人が書いたことが分かれば、記事の専門性が伝わるとしています。
外部のページへリンクするときは、リンク先が信頼できるかを確かめるよう、同じ文書は求めています。統計を使うなら「誰の・いつの」データかを本文に書き、元のページへリンクします。
E-E-A-T(経験・専門性・権威性・信頼性)という言葉もよく使われます。スターター ガイドは、E-E-A-T がランキングの要因かという問いに「いいえ」と答えています。書き手と出どころを示すのは、点数を上げるためではなく、読む人が中身を信じて判断できるようにするためです。
外部対策の具体例
外部対策は、ほかのサイトや人に紹介される状態を作る施策です。リンクを買うのではなく、紹介したくなる情報を出し、サイトの外で知ってもらいます。
自然に集まる被リンク
ほかのサイトが引用したくなる情報を作り、リンクは自然に集まるのを待ちます。スターター ガイドは、ほかのサイトからのリンクを、Google が新しいページを見つける道の1つに挙げています。
お金や物と引き換えにリンクを張ってもらうと、Google の「スパムに関するポリシー」の違反になります。何がリンクスパムに当たるかは、後半の「やってはいけないSEO対策」で説明します。
SNSでの発信とサイテーション
SNS やコミュニティ、オフラインの場で、自社とサイトの情報を知ってもらいます。サイテーションは、リンクが無くても、社名やサービス名がほかの場所で話題にされることを指します。
スターター ガイドが挙げる宣伝の方法は、SNS・コミュニティでの交流・広告・口コミです。口コミは時間がかかることがあると書き、宣伝のしすぎは逆効果になることがあるとも注意しています。
計測と改善の具体例
計測は、Search Console と GA4(Google アナリティクス 4)で数字を見る施策です。数字から、直すページを決めます。Search Console では検索結果での見え方を、GA4 ではサイトに来た後の行動を見ます。
| 道具 | 見る所 | 分かること |
|---|---|---|
| Search Console | 検索パフォーマンス レポート | クリック数・表示回数(インプレッション数)・CTR・平均掲載順位 |
| Search Console | ページ インデックス登録レポート | 登録されていないページと、その理由 |
| GA4 | 集客のレポートの「オーガニック検索」 | 検索結果の広告以外のリンクから来た人の数と、問い合わせまで進んだか |
検索パフォーマンス レポートは、初めは過去3か月の数字を表示します。数字を見たら、状態に合わせて次の作業を決めます。
| 数字の状態 | 見直す所 |
|---|---|
| ページが登録されていない | 内部対策(登録されない理由を直す) |
| 表示回数はあるのに、クリックが少ない | タイトルとメタディスクリプション |
| 平均掲載順位が10位の少し外にある語がある | その語で表示されているページの中身 |
| 狙う語で表示がまったく無い | その語に答える記事を新しく作る |
公表されているSEO対策の成功事例
Google の公式サイトの Google 検索セントラルと web.dev は、SEO の事例を公表しています。次の4件の施策の種類は、構造化データ・表示のずれ・表示速度の3つです。公表は2018〜2021年で、当時のツールの名前や基準には、今と違う所があります。
| 会社(サービス) | 施策の種類 | 結果の数値 | 公表元と年 |
|---|---|---|---|
| 楽天グループ(楽天レシピ) | 構造化データ | 検索エンジンからのトラフィック 2.7倍・平均セッション継続時間 1.5倍 | Google 検索セントラル・2018年 |
| Eventbrite | 構造化データ | Google 検索からイベントの一覧ページへのトラフィックが前年比で約100%増 | Google 検索セントラル・2018年 |
| Yahoo! JAPAN(Yahoo!ニュース) | 表示のずれの改善 | Search Console の「不良」URL 98%減・1セッションのページビュー 15.1%増 | web.dev・2021年 |
| 日本経済新聞社 | サイトの作り直しと表示速度の改善 | 検索からの流入 2.3倍 | web.dev・2018年 |
楽天レシピの構造化データ
楽天レシピは、利用者が投稿した約190万件のレシピに、レシピの構造化データ(Recipe)を入れました。その結果、検索エンジンから全ページへのトラフィックが2.7倍になりました。平均セッション継続時間も、以前の1.5倍になっています。出どころはGoogle 検索セントラル「楽天レシピの事例」(2018年5月公開)です。
事例によると、楽天レシピは2012年にレシピの構造化データを使い始めました。Search Console を入れて検索での見え方を確かめ、CMS で2週間かからずに構造化データを入れています。当時の Google のツールでマークアップのエラーも取り除きました。
Eventbriteの構造化データ
Eventbrite は海外の会社で、楽天レシピと同じ構造化データの例です。Google の文書に沿って、サイト全体にイベントの構造化データ(Event)を入れました。出どころはGoogle 検索セントラル「Eventbrite の事例」(2018年5月公開)です。
事例によると、2〜3週間で Google 検索のイベントの検索結果にはっきりした違いが出始めました。翌月には、Google 検索からイベントの一覧ページへのトラフィックが前年比で約100%増えました。数字は Google アナリティクスで測ったものです。同じ事例は、複数の SEO の取り組みが同時に進むと、増えた原因を正確に判断するのは難しいとも書いています。
Yahoo!ニュースの表示のずれの改善
Yahoo!ニュースの記事のページでは、先頭の画像が読み込まれた後に、本文が下へ押し下げられていました。画像の場所を先に確保する作りにした結果、Search Console で「不良」とされた URL が98%減りました。出どころはweb.dev「Yahoo! JAPAN News」(2021年3月更新)です。
同じ事例では、1セッションあたりのページビュー数が15.1%増え、セッション時間が13.3%延びています。問題のあるページは Search Console で見つけ、ずれの原因になる部分を調べてから直しました。事例に書かれているのは表示のずれと利用者の行動の数字で、検索順位の変化は書かれていません。
日本経済新聞社の表示速度の改善
日本経済新聞社では、スマートフォンからの訪問が増えていました。一方で、以前のサイトはスマホ向けではなく、表示が遅いままでした。サイトを作り直して表示を速くした結果、検索からの流入(オーガニック流入)が2.3倍になりました。出どころはweb.dev「Nikkei」(2018年11月更新)です。
以前のサイトは、操作できるようになるまで約20秒かかっていました。作り直した後は、操作できるまでの時間が14秒短くなっています。流入の増加は、表示速度だけでなく、サイト全体を作り直した後の結果として書かれています。
やってはいけないSEO対策
Google の「スパムに関するポリシー」に当たる対策をすると、順位が下がることがあります。検索結果にまったく表示されなくなる場合もあります。4つの代表的な例と、気にしなくてよい項目をまとめます。
キーワードの詰め込み
順位を上げる目的で、キーワードや数字を不自然に詰め込むことは、スパムに関するポリシーの「キーワードの乱用」に当たります。ポリシーは、価値の無い電話番号の羅列、都市名だけを並べた文章、同じ語の不自然なくり返しを例に挙げています。
キーワード選びの節のとおり、同じ語句を何度も書く必要はありません。語の数ではなく、問いに答えているかでページを見直します。
リンクの売り買い
順位を上げる目的で、お金や物、サービスと引き換えにリンクを売り買いすることは、ポリシーの「リンクスパム」に当たります。ポリシーは、次のようなリンクも例に挙げています。
- 相互リンクのやりすぎや、相互リンクのためだけのページ
- 自動のプログラムやサービスで作るリンク
- 質の低いディレクトリやブックマークサイトからのリンク
- 多くのサイトのフッターやテンプレートに埋め込んで配るリンク
広告のリンクは、rel="nofollow" か rel="sponsored" を付ければ違反になりません。「被リンクを〇本つけます」という提案を受けたら、どこから、どうやってリンクを集めるのかを確かめます。
隠しテキストとクローキング
検索エンジンにだけ読ませる目的で、利用者から文字やリンクを隠すのは違反です。ポリシーでは「隠しテキストと隠しリンク」と呼んでいます。白い背景に白い文字、画面の外への配置、文字の大きさを0にする、といった方法です。
アコーディオン(押すと開く部分)、タブ、スライドショーのように、利用者のために表示を切り替える作りは問題ありません。検索エンジンと利用者に違う中身を見せる「クローキング」も、同じくポリシーの違反です。
中身の薄いページの大量生成
利用者に価値を足さないページを、順位を上げる目的で大量に作るのも違反です。ポリシーの「大量生成されたコンテンツの不正使用」に当たります。作り方は問われず、生成 AI で作った場合も対象です。
ほかのサイトの文章を、価値を足さずにつなぎ合わせて大量に作るのも同じです。ほかのサイトの中身を転載する「スクレイピング」も、ポリシーに挙げられています。期限切れのドメインを順位のために使う「期限切れドメインの不正使用」も同じです。
気にしなくてよい項目
Google のスターター ガイドには、Google が重要でないと考えることの一覧があります。手間をかけても順位に関係しない項目なので、ほかの具体例を先に進めます。
| よく言われること | スターター ガイドの記載 |
|---|---|
| メタキーワードを書く | Google 検索はキーワードのメタタグを使わない |
| ドメイン名や URL にキーワードを入れる | 検索結果のパンくずリストに出る以上の効果はほとんど無い |
| 記事は何文字以上にする | 決まった最小・最大の文字数は無い |
| 見出しの数や順番をそろえる | 順番どおりでなくても問題は無い。理想的な数も無い |
| 重複コンテンツのペナルティを避ける | 複数の URL から見られても問題は無い(他人の文章のコピーは別) |
| E-E-A-T の点数を上げる | E-E-A-T はランキングの要因ではない |
| サブドメインかサブディレクトリかを選ぶ | 事業の都合で選んでよい |
SEO対策の進め方
16の具体例は、現状の確認 → キーワード選び → サイト内部と記事の見直し → 計測と改善の順に進めます。最初に現状を確かめるのは、Google に登録されていないページがあると、中身を直しても検索結果に出ないためです。

最初に直す所の決め方
最初に直す所は、Search Console で現状を確かめてから決めます。
- Search Console で、登録の問題・表示回数・平均掲載順位を見る
- 登録されていないページがあれば、内部対策から直す
- 平均掲載順位が10位の少し外にある語があれば、そのページの中身を直す
- 狙いたい語で表示がまったく無ければ、その語に答える記事を足す
FIZ の SEO コンサルティングも、現状把握(Webサイト解析)から始めます。その後、追う数字と狙う言葉の設計、サイト内部の見直し・記事制作、月次レポートと進めます。
効果が出るまでの期間
Google のスターター ガイドによると、変更が検索結果に反映されるまでには数時間から数か月かかります。同じ文書は、効果は一般に数週間待ってから確かめるよう勧め、変更しても目に見える変化が出るとは限らないとも書いています。
FIZ の SEO コンサルティングのサービスページでは、成果が出るまでの目安を3か月から半年と案内しています。1つ直すたびに数日で判断せず、直した日を記録しておき、数週間後に Search Console で前後の数字を比べます。
自社でやるか、会社に頼むか
16の具体例のうち、文章の編集や管理画面の操作で済むものは自社でも進められます。ページの作りやプログラムに手を入れるものは、制作の知識が要ります。手が回らない所と、知識が要る所を会社に頼むと、頼む範囲を絞れます。
自社でできる範囲
タイトル・メタディスクリプション・alt・内部リンク・記事の更新は、文章を書き換える作業です。WordPress などの CMS を使っていれば、管理画面の操作で直せます。
| 作業の中身 | 具体例 |
|---|---|
| 文章の編集や管理画面の操作で済む | タイトルとメタディスクリプション・画像のalt・内部リンク・独自の情報と更新・書き手と出どころの明示・Search Console での登録確認 |
| ページの作りやプログラムに手を入れる | 表示速度・表示のずれ・構造化データ・サイト構造とURL・重複ページの整理(リダイレクト) |
ページの作りに手を入れる作業は、公表された事例でも技術の作業が中心です。日本経済新聞社は、JavaScript を書き直してサイトを作り直しました。Yahoo!ニュースは、画像の縦横の比率をサーバーから受け取る作りにしました。一方で楽天レシピは、CMS を使って2週間かからずに構造化データを入れており、CMS の機能で済む場合もあります。
自社で続ける作業の例
自社で進める場合、記事は1本書いて終わりではなく、書く前の調べと公開後の見直しを記事ごとにくり返します。FIZ が2026年7月に始めた自社のコラム(fizjapan.com)では、記事ごとに次の4つを続けています。
- 書く前:上位の記事を5件読み、扱う話題を一覧にしてから構成を決める
- 書くとき:上位のどのページにも無い、自社の情報を足す
- 公開する前:読む人が次に知りたい記事どうしを、内部リンクでつなぐ
- 公開した後:月に1回 Search Console の数字を取り直し、順位が下がった語が無いかを見る
これは SEO のクライアントの事例ではなく、FIZ 自身のサイトでの取り組みです。この4つを記事ごとに続ける人を社内で確保できるかどうかが、自社でやるか頼むかを決める材料になります。
会社に頼むときの確かめ方
会社に頼むときは、提案された施策が16の具体例のどれに当たるかを、提案書の上で確かめます。施策の名前が一般的な言葉のままだと、何が納品されるのかが分かりません。
| 確かめること | 聞き方の例 |
|---|---|
| 施策の中身 | 「この施策は、タイトルの書き換えですか、それとも記事の新しい制作ですか」 |
| 成果を測る数字 | 「何の数字で、いつ成果を判断しますか」(表示回数・クリック数・問い合わせ数など) |
| 手を動かす範囲 | 「記事の制作やサイトの直しまで行いますか。それとも提案だけですか」 |
| 外部対策の方法 | 「被リンクは、どこから、どうやって集めますか」 |
FIZ の SEO コンサルティングは、追う数字と狙う言葉の設計から月次レポートと定例会までを行います。その間に、サイト内部の見直し・UI改善・記事の制作も行います。記事の制作だけ、UI改善だけを頼むこともできます。
SEO対策の具体例のよくある質問
お店や地域の集客ではどうすればよいですか?
地図や地域の検索では、Google ビジネス プロフィールの情報が使われます。Google のヘルプによると、地域の検索結果の順位は、関連性・距離・知名度の3つで決まります。関連性は、検索語とプロフィールが合っているかを指します。
同じヘルプは、オーナー確認と、住所・営業時間・業種などの正確な入力を挙げています。クチコミへの返信と、写真の追加も挙げています。Google は、順位を上げるための依頼やお金は受け付けていないとも明記しています。
AI検索が広がっても、SEO対策は意味がありますか?
Google の文書「AI 機能とウェブサイト」は、AI による概要に出るための追加の要件は無いとしています。AI モードも同じで、特別な最適化は要らないと書いています。これまでの SEO の基本はそのまま有効で、ページが登録され、検索結果にスニペットを表示できる状態であることが条件です。
AI による概要などからの訪問も、Search Console の検索パフォーマンス レポートに含まれます。検索タイプは「ウェブ」です。GA4 の「オーガニック検索」も、AI による概要と AI モードからの訪問を含みます。なお、Google は年に数回、検索の仕組みを大きく変える「コア アップデート」を行っています。そのたびに、順位が動くことがあります。
業種によって具体例は変わりますか?
16の具体例の種類は、業種で変わりません。変わるのは、狙う検索語と、ページに載せる情報です。
たとえば構造化データでも、楽天レシピはレシピの、Eventbrite はイベントの構造化データを入れています。お店や地域の集客なら、上の質問の Google ビジネス プロフィールが加わります。
自分のサイトがGoogleに登録されているか、どう確かめますか?
Google で site:自社のドメイン と検索し、自社のページが出れば登録されています。たとえば FIZ なら site:fizjapan.com です。1ページずつ確かめるときは、Search Console の URL 検査ツールに URL を入れます。登録の有無と、Google からの見え方が分かります。
出てこないページの理由は、Search Console の「ページ インデックス登録」レポートで見ます。
まとめ
SEO対策の具体例は、内部対策8つ・コンテンツ5つ・外部対策2つ・計測1つの16個です。登録の問題があれば内部対策、順位が近い語があればそのページの中身から直します。まずは自社のサイトを Search Console で開き、表示回数と登録されていないページを確かめてください。
株式会社FIZは、Z世代に届くSNSマーケティング・インフルエンサー施策に強みを持つ会社です。SEO では、現状把握から記事の制作、月次の報告までを一緒に進めます。「自社のサイトで、どこから直せばよいか」を相談したい方は、ご相談ください。
