記事を書いてもほとんど読まれない。投稿してもその場で流れて何も残らない。自社サイトの読み物とSNSを両方かかえていると、この2つが同時に起きます。手は動かしているのに、2つがつながっている感じがしません。
この記事でわかること
- コンテンツマーケティングとSNSのつなぎ方3つ
- 記事1本をSNSに出し直す手順
- 媒体と出すコンテンツの選び方
- 始め方の5つのステップ
- つなぐときの注意点
自社がどのつなぎ方を採るかを決めて、明日からの手を1つに絞れます。
コンテンツマーケティングとSNSのつなぎ方3つ
つなぎ方は3つです。投稿の中で完結させる、投稿から自社サイトの記事へ誘導する、広告で届く相手を増やす、の3つに分かれます。どれを選ぶかは、自社サイトに読ませられる記事があるかどうかで決まります。
3つのつなぎ方の一覧
3つは、投稿に持たせる役割が違います。まず一覧で押さえてください。
| つなぎ方 | 何をするか | 向いている場合 | 最初にすること |
|---|---|---|---|
| 投稿の中で完結させる | 投稿の中で答えを言い切る。リンクは置かない | 自社サイトに読ませたい記事がまだ無い | 反応の良かった題材を記録する |
| 記事へ誘導する | 記事1本を投稿の形に作り替え、記事へ誘導する | 読ませたい記事がすでにある | 記事1本につき投稿を1本作る |
| 広告で届く相手を増やす | 狙った条件の人に、投稿や記事を配信する | 期日のある催し・季節の商品がある | 期間と上限の金額を先に決める |
3つは選択肢であって、順番ではありません。ただし、記事が1本も無い状態で記事へ誘導しようとしても、誘導先がありません。広告も、誘導先が弱いまま出すと費用だけが減ります。
投稿の中で完結させる方法
リンクを押させることを目的にせず、投稿の中で答えを言い切ります。読ませたい記事がまだ無い会社は、この使い方から始めてください。
この使い方が向くのは、次の3つのどれかに当てはまるときです。
- 自社サイトに、読ませたい記事がまだ無い
- 伝えたい答えが短く、投稿1本に収まる
- リンク先のページが、スマートフォンで読みにくい状態にある
弱点も先に押さえてください。投稿は検索エンジンの結果にほとんど出ません。過去の投稿は流れていき、問い合わせまでの距離も遠いままです。
投稿の中で完結させるのは、記事ができるまでのあいだと考えてください。
記事へ誘導する方法
知らせる、続きを気にさせる、記事へ誘導する。この3つを1本に詰めると、どれも届きません。1本の投稿に役割を1つだけ持たせてください。
役割を絞った例を挙げます。株式会社FIZはラウンドワンのスポッチャ新サービスのプロモーションを手がけました。投稿はInstagramとTikTokに出し、新しいサービスの存在を知らせる役割に絞っています。料金や利用の条件は、施設側の案内に置いたままにしました。
投稿で全部を説明しようとすると、動画が長くなり、最後まで見られません。誘導先があるなら、投稿は入口だけで足ります。
つなぎ方の選び方
判断は、自社サイトに読ませられる記事が何本あるかで決めます。目標や業種ではありません。
| 自社サイトの状態 | 選ぶつなぎ方 | 最初にすること |
|---|---|---|
| 記事が0本 | 投稿の中で完結させる | 投稿の中で答えを言い切り、反応の良い題材を記録する |
| 記事が1〜2本 | 投稿の中で完結させる+記事へ誘導する | その記事に関係する投稿にだけ、リンクを置く |
| 記事が3本以上 | 記事へ誘導する | 記事1本ごとに、出し直す投稿を作る |
記事が10本あるのに投稿の中で完結させ続けると、書いた記事が読まれないまま残ります。逆に、記事が0本のまま記事へ誘導しようとすると、リンクの先に読むものがありません。
コンテンツマーケティングとSNSの違い
2つの違いは、残るか流れるかです。自社サイトの記事は公開したまま残り、数年後も検索から読まれます。SNSの投稿は出した直後がいちばん見られ、その後は流れていきます。
コンテンツマーケティングとは
売り込む前に役に立つ読み物や動画を出し、見つけてもらう進め方を指します。買ってくださいと言う前に、相手の困りごとに答えるところから始めます。
出す場所は自社サイトに限りません。記事、動画、資料、投稿のどれもコンテンツです。SNSはそのうちの出し先の1つにあたります。この記事で「記事」と書くときは、自社サイトのコラムやブログ(オウンドメディア)に載せる読み物を指します。
ここで混ざりやすいのが、SNSマーケティングとの関係です。SNSマーケティングは媒体で区切った呼び方で、コンテンツマーケティングは進め方で区切った呼び方です。対立するものではなく、重なっています。
記事と投稿の比較
違いは、人と情報のどちらが先に動くかにあります。記事では人が先に動き、SNSでは情報が先に動きます。
記事は、困っている人が言葉を打ち込んで探しに来ます。来た時点で、その人は答えを求めています。投稿は、探していない人の画面に流れてきます。相手は答えを求めていません。
| 見る点 | 自社サイトの記事 | SNSの投稿 |
|---|---|---|
| 見つかり方 | 検索して来る(人が先に動く) | 画面に流れてくる(情報が先に動く) |
| 残る期間 | 公開したまま残り、数年後も読まれる | 数日で流れ、後から探されにくい |
| 向いている段階 | 比べて決める段階 | まだ知らない段階 |
| 1本にかかる時間 | 長い。調べて書く必要がある | 短い。素材があれば当日出せる |
この表の使い方は1つです。左右を見比べて優劣を決めるのではなく、自社のターゲットがいまどちら側にいるかを見ます。
投稿を100本ためても、101本目を出した日に見られるのは直近の数本です。積み上がるのは記事のほうで、投稿で積み上がるのはフォロワーとの接点です。
記事とSNSが担う段階
ターゲットは、買うまでに4つの段階を動きます。まだ知らない、気になった、調べる、決めるの4つです。SNSは前半の2つ、記事は後半の2つを担います。

| ターゲットの段階 | 主に担うのは | そこに置くもの |
|---|---|---|
| まだ知らない | SNS | 存在を知らせる投稿 |
| 気になった | SNS | もっと見たくなる投稿 |
| 調べる | SNSと記事の両方 | 投稿に置くリンクと、答えを書いた記事 |
| 決める | 記事 | 料金・条件・事例を書いた記事 |
重なるのは「調べる」の1つだけです。SNSから記事へ誘導できるのは、この段階の人です。
向きは一方向として設計してください。記事を読んだ人がSNSをフォローすることもありますが、数としては多くありません。
自社のターゲットが4段階のどこに多くいるかで、手を入れる先が決まります。「まだ知らない」に多くいるなら、記事を増やしても読む人がいません。「調べる」に多くいるのに記事が無ければ、投稿の反応は問い合わせに変わりません。
コンテンツマーケティングにSNSをつなぐと変わること
つなぐと、届く相手と、次に書く材料の集まり方が変わります。変わることは6つあります。
まだ探していない人に届く
記事だけでは、検索する人にしか届きません。SNSをつなぐと、その商品やサービスを探していない人の画面にも出ます。
検索という行動は、困りごとを言葉にできた人しか起こしません。困りごとを言葉にできていない人のほうが、数としては多くいます。
たとえば、夏の宿泊プランを探している人は検索します。一方で「今年の夏はどこかに行きたい」としか思っていない人は、検索語を持ちません。この層に届くのは投稿のほうです。
出した日に届く
記事が検索から読まれ始めるまでには数か月かかりますが、投稿は出した日に人の画面へ出ます。
この差が使えるのは、期日がある情報です。催し、季節の商品、期間限定のプランは、記事だけでは間に合いません。
記事を先に公開しておき、期日が近づいたら投稿でその記事へ誘導する。この順番にすると、立ち上がりの遅さを投稿で埋められます。
反応が返ってくる
保存・共有・返信の数が、次に書く記事の題材を決めます。記事のアクセス数だけを見ていても、どの一文が刺さったかは分かりません。
投稿は要点を1つに絞って出すため、反応がそのまま「どの要点に需要があるか」の答えになります。保存が多かった投稿の題材は、記事1本に育つ見込みがあります。
返信や質問も材料です。同じ質問が3回来たら、その答えを記事の見出しにしてください。
顧客の投稿が増える
店舗や施設のように、写真を撮る場面がある事業ほど、顧客自身の投稿が増えます。自社が出す投稿より信じられやすいという性質もあります。
自分で書いた説明と、第三者が書いた感想では、受け取られ方が違います。買うかどうかを迷っている人ほど、後者を見ます。
増やす手は2つです。投稿しやすい撮影場所を用意することと、投稿を紹介することです。紹介するときは、必ず本人の許可を取ってから使ってください。
名前で検索される回数が増える
投稿を見た人は、その場でリンクを押さなくても、社名や店名を覚えます。後日、その名前で検索して来ることがあります。
この動きは、SNS経由ではなく検索経由として記録されます。投稿の効果が見えにくくなる理由の1つがここにあります。
見る数字は1つです。社名や店名で検索された回数が、月ごとに増えているかを見てください。投稿を増やした月に伸びていれば、名前は届いています。
かかるのは費用ではなく時間
投稿を出すこと自体に費用はかかりませんが、静止画1本を作るのに1時間前後の人の時間がかかります。内訳は次の章で示します。
無料で始められることと、続けられることは別です。続けられるかどうかは、月に何時間使えるかで決まります。
記事1本をSNSに出し直す手順
記事のリンクを投稿に貼っただけでは、ほとんど押されません。押される形にするには、記事を投稿の形へ作り替える工程が4つ要ります。静止画1本なら、合わせて1時間ほどが目安です。
出し直す4つの工程
記事のリンクをそのまま貼った投稿が押されないのは、投稿を見た人がその記事の中身を知らないためです。

作り替えの工程は4つあります。順番に拘束があり、飛ばすと後戻りになります。
- ステップ1 記事の要点を1つに絞る:記事に書いた論点から、投稿で見せるものを1つ選ぶ
- ステップ2 縦の画面に合わせて作り直す:選んだ1つを、縦長の画像か短い動画の形にする
- ステップ3 リンクの置き場所を決める:媒体ごとに置ける場所が違うため、先に確かめる
- ステップ4 反応を見て、次に書く記事を決める:どの要点が反応を得たかを記録する
順番の拘束は、具体で見ると分かります。要点が1つに決まらないうちに素材を作ると、作り直しになります。素材が無いうちは、リンクをどこに置くかも決められません。
ステップ4は、ステップ1へ戻ります。ここが一方通行ではないところです。反応の良かった要点が、次に書く記事の題材になります。
ステップ1で選ぶ要点に、記事の見出しをそのまま使わないでください。記事の中の1文や、表の1行のほうが投稿になります。
催しのように素材が一度に大量に出る場合は、1日分を何本かに分けて出し直せます。株式会社FIZは東京都中央区観光商業まつりのInstagramアカウント運用を担当しました。まつりの期間中に集めた素材を、継続的に投稿へ回しています。
リンクの置き場所
置き場所が決まらないと、ステップ2で作る素材の形も決まりません。置き場所は4つに分かれます。
| 置き場所 | 押されやすさ | 注意する点 |
|---|---|---|
| プロフィール欄 | 中 | どの投稿から来たかが分かりにくい |
| 投稿の本文 | 媒体による | 本文からリンクへ飛べない媒体がある |
| 24時間で消える投稿 | 高 | 消えるため、同じ案内を繰り返し出す |
| メッセージ | 高 | 友だち登録などの関係が前提になる |
本文からリンクへ飛べない媒体では、投稿の中で「プロフィールから見られます」と伝える形になります。この一言が無いと、行き先を探す人が離れます。
どの投稿から人が来たかを知りたい場合は、投稿ごとに末尾の違うリンクを使ってください。
1本あたりの作業時間
作業時間は、作る形で変わります。静止画なら1本あたり1時間前後、短い動画なら2時間前後が目安です。
| 工程 | 静止画1本 | 短い動画1本 |
|---|---|---|
| ステップ1 要点を1つに絞る | 15〜20分 | 15〜20分 |
| ステップ2 縦の画面に合わせて作り直す | 25〜35分 | 60〜90分 |
| ステップ3 リンクの置き場所を決める | 5〜10分 | 5〜10分 |
| 合計 | 約1時間 | 約2時間 |
ステップ4は1本ごとではなく、月に1回まとめて行います。20〜30分あれば足ります。
月4本を静止画で出す場合、月に4〜5時間です。動画を月1本足すなら、さらに1時間から1時間半が乗ります。
ゼロから投稿を作る場合との差は、企画と素材集めにあります。記事には中身がすでに書かれているため、何を出すかを考える時間が短く済みます。記事に載せた写真や図をそのまま回せば、ステップ2はさらに短くなります。
媒体と出すコンテンツの選び方
媒体は、届く相手とリンクの置き場所で選びます。向いている形が違うため、同じ素材をすべての媒体に出しても届き方はそろいません。まず比較表で絞ってください。
6つの媒体の比較
利用率が高い媒体ほど届く相手は多く、リンクの置き場所は媒体ごとに違います。6つの媒体を、記事へ誘導する目線で並べます。
| 媒体 | 使っている人の割合 | 向いている形 | リンクの置き場所 |
|---|---|---|---|
| LINE | 全年代92.9%。70代でも77.8% | 1対1に近い案内・来店のきっかけ | リッチメニューやメッセージから外部サイトへ |
| YouTube | 全年代81.5%。20代は96.3% | 数分以上の動画・手順の解説 | 説明欄に置く形が中心 |
| 全年代54.8%。20代は82.6% | 縦長の写真・複数枚の画像・短い動画 | プロフィール欄が中心。本文からは飛べない形が多い | |
| X | 全年代44.7%。20代は73.4% | 短い文・画像1枚 | 投稿の本文に置ける形が一般的 |
| TikTok | 全年代36.7%。10代は67.9% | 縦長の短い動画 | プロフィール欄が中心 |
| 全年代27.0%。40代は38.9% | 長めの文・催しの案内 | 投稿の本文に置ける形が一般的 |
利用率の出どころは、総務省情報通信政策研究所の令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書です。調査は2025年12月、対象は13〜79歳の男女1,800人でした。公表は2026年6月です。
LINE公式アカウントのリッチメニューには、外部サイトへのリンクを設定できます。LINEヤフー for Business の案内に書かれています。
本文にリンクを置ける媒体は、記事へ誘導するのに向いています。置けない媒体では、投稿の中で完結させる使い方が向いています。
SNSに出すコンテンツの4つの型
知らせる、役に立つ、見せる、人が出るの4つです。型を決めておくと、毎回ゼロから考えずに済みます。
| 型 | 中身 | 記事のどこから作るか |
|---|---|---|
| 知らせる | 新しい商品・催し・期間限定の案内 | 記事の中の日付・条件の部分 |
| 役に立つ | 手順・選び方・よくある質問の答え | 記事の見出しと表 |
| 見せる | 現場の写真・作っている様子 | 記事に載せた写真 |
| 人が出る | 働く人の話・顧客の声 | 記事の事例・インタビュー |
共有されやすいのは「役に立つ」と「人が出る」の2つです。受け取った人が、誰かに教える理由を持てるためです。
「知らせる」だけを続けると、反応が落ちます。案内ばかりが並ぶと、見る側に得るものが無くなるためです。
始める媒体は1つ
媒体は1つから始めてください。2つ目を足すのは、1つ目で月4本を3か月続けられてからです。
理由は作業時間にあります。媒体を2つにすると、向いている形が違うぶん、素材の作り直しが増えます。1本あたり1時間の作業が、そのまま2倍にはなりません。
1つ目を選ぶ基準は2つです。自社の素材が写真中心か動画中心か、そして記事へのリンクを置きたいかどうかです。リンクを本文に置きたいなら、本文にリンクを置ける媒体から始めます。
SNSから記事へ誘導できる人数
記事へ誘導するなら、届けられる量を実数で見ます。自社アカウントだけでは届く相手が増えにくく、発信者の起用や広告を足すと桁が変わります。ただし、届いた量と記事まで来た人数のあいだでは、計測が切れます。
自社アカウントだけで届く範囲
自社アカウントの投稿が届くのは、基本的にフォロワーとその周辺です。フォロワーが300人なら、1本の投稿で届くのは数百人の水準になります。
投稿の本数を2倍にしても、届く相手はほとんど増えません。同じ人が2回見るだけだからです。増えるのは接触の回数で、人数ではありません。
人数を増やしたいのか、覚えてもらう回数を増やしたいのか。これを先に決めると、本数を増やすべきかどうかが決まります。
届く相手を増やす3つの方法
広告、発信者の起用、顧客の投稿の3つです。いずれも自社アカウントの外へ出す方法にあたります。
- 広告を出す:狙った条件の人に配信する。出した日から届き、止めると消える
- 発信者に依頼する:その人のフォロワーへ届く。第三者の言葉として伝わる
- 顧客の投稿を借りる:実際に使った人の投稿を紹介する。許可を取ってから使う
3つは費用のかかり方が違います。広告は配信した量だけ、発信者の起用は人数と期間だけ費用が動きます。顧客の投稿は費用がかからない代わりに、数を読めません。
発信者56名を起用した実例
発信者56名を起用した企画では、Instagram側だけでインプレッション830万、リーチ625万に届きました。インプレッションは画面に表示された回数、リーチは届いた人の数です。
株式会社FIZはホテルニューオータニ大阪のナイトプール企画を支援しました。依頼した発信者の内訳は、Instagramが41名、TikTokが15名です。施策から3週間で、連動する宿泊プランの稼働率も大きく伸びています。
この数字を、記事へ誘導する話に置き直します。625万という人数は、自社アカウント1つで届けられる規模ではありません。届く相手を外へ広げると、桁が変わります。
ただし、この規模は起用の費用を前提にしています。起用する人数と期間が違えば、届く量も変わります。同じ数字を自社の目標に置く読み方は勧めません。
計測が切れる3つの場所
届いた量は分かっても、そこから記事に来た人数はつながりません。SNSの管理画面は投稿を見た人数までしか出さず、自社サイトの解析は来た人からしか数えられないためです。
計測が切れる場所は3つあります。
- プロフィール欄のリンク:どの投稿を見て来たかが残らない
- アプリの中で開くブラウザ:外の解析につながらない場合がある
- リンクを踏まない人:投稿を見たあと、社名で検索して来る
3つ目は、数としては少なくありません。この人たちは、SNS経由ではなく検索経由として記録されます。
つなぎ直す手は2つです。投稿ごとにURLの末尾を変えて見分けることと、社名で検索された回数の変化を月ごとに見ることです。
始め方の5つのステップ
始め方は5つのステップに分かれます。目的を決め、相手を絞り、媒体を1つ選び、出す型を決め、出す人と日を決める順です。この順に進めると、最初の投稿までに迷う回数が減ります。
ステップ1 目的と見る数字を決める
目的は1つに絞ってください。来店、予約、問い合わせ、名前を覚えてもらう。このうちどれを増やしたいかを先に決めます。
見る数字も1つに決めます。数字を3つ以上並べると、伸びた月も落ちた月も説明がついてしまい、判断できません。
| 目的 | 見る数字 |
|---|---|
| 来店・予約を増やす | 投稿から予約ページに来た人数 |
| 問い合わせを増やす | 問い合わせの件数と、その流入元 |
| 名前を覚えてもらう | 社名・店名で検索された回数 |
ステップ2 届けたい相手を1人に絞る
相手を1人に決めると、投稿に使う言葉が決まります。「20代から60代まで」と置くと、どの言葉も選べません。
年代と立場だけでなく、その人がいま何に困っているかまで書いてください。困りごとが書けると、出す型も決まります。
決める項目は4つで足ります。年代、いま困っていること、どの媒体を使っているか、何があれば動くか。この4つを1枚に書き出してください。
ステップ3 媒体を1つ選ぶ
ステップ2で書いた相手の利用率が高い媒体を、前の章の比較表から1つ選びます。
自社の素材が写真中心なら写真の媒体、動画中心なら動画の媒体を選びます。無い素材の媒体を選ぶと、最初の1本が出るまでに時間がかかります。
記事へ誘導することが目的なら、リンクを本文に置ける媒体が向いています。置けない媒体を選ぶ場合は、プロフィール欄への誘導を投稿の中に入れてください。
ステップ4 出す型を3つ選ぶ
前の章の4つの型から、自社が続けられるものを3つ選びます。4つすべてを回すと、素材の集め方が4通りになります。
3つに絞ると、素材を集める手が決まります。撮る日も、聞き取る相手も、そこから逆算できます。
| 選び方 | 3つの組み合わせ |
|---|---|
| 店舗・施設 | 見せる・知らせる・人が出る |
| 法人向けのサービス | 役に立つ・人が出る・知らせる |
| 記事がすでにある | 役に立つ・見せる・知らせる |
決めた3つを、投稿の順番に当てはめます。たとえば月4本なら、役に立つを2本、残り2つの型を1本ずつ、という形です。
ステップ5 出す人と日を決める
出す人と日を決めます。「時間があるときに出す」と決めた運用は止まります。
決める項目は3つです。誰が作るか、誰が確認するか、何曜日に出すか。1人でも、作る日と出す日は分けてください。
見直しは月に1回で足ります。見るのは、ステップ1で決めた数字1つと、反応の良かった投稿の題材です。その題材が、次に書く記事になります。
つなぐときの注意点
気をつけることは3つです。炎上したときの判断、記事から切り出すときの意味の変化、そして本数の決め方です。3つとも、始める前に決めておけば起きにくくなります。
炎上したときに判断する人
決めるのは手順ではなく、誰が判断するかです。投稿を消すか、残して説明するか、これを決める人を1人置いてください。
判断が遅れる原因は、決める人がいないことにあります。担当者が上長に確認し、上長がさらに上に確認するあいだに、指摘は増えます。
先に決めておく項目は3つです。
- 一次対応を出す人と、その人が動ける時間帯
- 投稿を止める権限を持つ人
- 外に出す文面を最終確認する人
投稿を消すかどうかは、事実の誤りか、受け取られ方の問題かで分かれます。事実の誤りなら訂正を出し、受け取られ方の問題なら消さずに説明する形が基本です。
記事から切り出すときの条件の抜け
切り出すときに落ちるのは、たいてい条件の部分です。文字数が減るぶん、前提が消えて断定に見えます。
たとえば記事に「素材がそろっていれば、月4本は1人でも回せます」と書いたとします。これを「月4本は1人で回せます」と切り出すと、条件が消えます。
防ぐ手は1つです。切り出したあとに、記事の元の文と並べて読んでください。意味が変わっていたら、条件を投稿に戻すか、別の要点を選び直します。
数字を切り出すときはとくに注意してください。前提を書かない数字は、そのまま約束として読まれます。
本数の決め方
「毎日出す」と決めた運用は、2週目に止まります。原因はやる気ではなく、使える時間から逆算していないことです。
本数は、使える時間から決めてください。静止画1本に1時間かかるなら、月5時間しか取れない月に月8本は出せません。
下限もあります。月4本を下回ると、良かった投稿と伸びなかった投稿を比べる材料がたまりません。月4本が出せない場合は、媒体を1つに絞り直してください。
記事とSNSへの時間の割り振り
割り振りは、目標ではなく手元にあるものから決めます。記事は数か月、投稿は数日で反応が出るため、同じ時期に同じ物差しでは見られません。担当者が1名なら、半分ずつに割らないでください。
成果が出るまでの時間の差
時間の差は、見つかり方の違いから来ます。記事は検索エンジンに拾われるまで待ちます。投稿は出した日に画面へ流れます。
| 出すもの | 反応が返る時期 | 良し悪しを判断できる時期 |
|---|---|---|
| SNSの投稿 | 当日から数日 | 複数本ためて見比べられる頃 |
| 自社サイトの記事 | 数か月 | 複数本を出した頃 |
| SNS広告 | 配信した当日 | 配信量が足りた時点 |
この差を知らないまま両方を始めると、3か月目に「記事は成果が出なかった」と判断してしまいます。実際には、記事はまだ結果の出る時期に入っていません。
判断する月を先に決めてください。投稿は3か月目、記事は6か月目に見る、という形です。
手元にあるものからの選び方
写真や動画がすでにあるならSNS、答えられる質問がたまっているなら記事に寄せます。無いものから始めると、最初の1本が出るまでに時間がかかります。
| 手元にあるもの | 先に寄せる先 | 理由 |
|---|---|---|
| 現場・商品・働く人の写真や動画 | SNS | 撮った日に出せる |
| 顧客からよく聞かれる質問 | 記事 | 答えがすでに社内にある |
| 過去の提案資料・事例のメモ | 記事 | 書き起こすだけで1本になる |
| どちらも無い | SNS | 投稿の反応から、記事の題材を集める |
担当者1名での割り振り
担当者1名で両方を半分ずつ回すと、どちらも本数が足りません。SNSは比べる材料がたまらず、記事は検索に拾われる手前で止まります。
割り振りは、3か月ごとに主にする側を決める形にしてください。たとえば最初の3か月は時間の8割をSNSに充て、記事は月1本に絞ります。
寄せる側を決める基準は2つです。
- 急ぐ理由があるか:催しや季節の商品があるなら、SNSに寄せる
- 答えられる質問がたまっているか:問い合わせで同じことを何度も聞かれるなら、記事に寄せる
最低限の本数も押さえてください。SNSは月4本、記事は月1本が、片方を最低限に保つときの目安です。
投稿の制作だけを外に出す選び方もあります。
コンテンツマーケティングとSNSに関するよくある質問
記事の全文をSNSにそのまま載せてもよいですか
勧めません。投稿の画面は縦長で、長い文章は最後まで読まれにくいためです。
全文を載せると、記事に来る理由も無くなります。要点を1つ切り出し、続きを記事に置く形にしてください。
SNSの投稿は検索で見つかりますか
検索エンジンの結果には、ほとんど出てきません。媒体の中の検索では見つかりますが、そこで探すのは、すでにその媒体を使っている人だけです。
検索から見つけてほしい中身は、自社サイトの記事に置いてください。投稿に置いたままでは、探している人に届きません。
フォロワーが少ないうちから記事とつなぐ意味はありますか
あります。つなぐ形を先に作っておくと、フォロワーが増えたときに作り直さずに済みます。
フォロワーが100人でも、投稿から記事へ誘導できた人の割合は測れます。少人数のうちに、どの要点が押されるかを見つけておいてください。
フォロワーを増やしてから考えると、増えた時点で作り替えの工程を一から作ることになります。順番としては逆です。
記事とSNSは同じ会社に任せたほうがよいですか
分けても回りますが、つなぐ役を誰が持つかを先に決めてください。別々の会社に任せると、どの記事をどの投稿で出し直すかが決まらないまま進みます。
任せる場合も、記事の題材を決める判断を社内に残すと、つなぎ目が切れません。
まとめ
コンテンツマーケティングの記事は答えを置いて残す場所、SNSは出会いを作る入口です。どうつなぐかは、自社サイトに読ませられる記事がどれだけあるかで選び、媒体を1つに絞って始めてください。今週のうちに自社サイトの記事を数え、一覧表のどの行に当たるかを確かめてください。
株式会社FIZは、Z世代に届くSNSマーケティング・インフルエンサー施策に強みを持つ会社です。ホテルニューオータニ大阪のナイトプール企画では、Instagramのみで830万インプレッションに届きました。ラウンドワン・HIS・三井不動産の案件も担当しています。記事とSNSの割り振りからご相談いただけます。
