SNSマーケティング 17 min read

SNSマーケティングの始め方|最初の1か月の手順

SNSマーケティングの始め方|最初の1か月の手順

SNSマーケティングの始め方は、新しくアカウントを作る場合と、止まっているアカウントを動かし直す場合で手順が変わります。後者では、設計書を一から作ることよりも、止まった原因を外すことが先に来ます。この記事では、最初の1か月を4つの週に分けて整理します。第1週は今あるアカウントの棚卸し、第2週は投稿本数の決定、第3週は素材づくり、第4週は公開と数字の確認です。本数は感覚では決めません。担当者が週に使える時間から逆算します。株式会社FIZは、自治体の催しから企業の採用まで、目的の異なるアカウントの運用を手がけてきました。読み終える頃には、来週やることと1か月分の投稿本数が決まり、社内に共有できる状態になっているはずです。

SNSマーケティングの始め方は「すでにあるアカウント」から数えなおす

SNSマーケティングの始め方は、手元にあるアカウントの状態から数えなおします。作ったまま止まっているアカウントは、フォロワーと過去の反応が残った資産です。同時に、止まった原因も残っています。最初の1か月は、その棚卸しから始め、続けられる本数を決め、素材をまとめて作り、公開して数字を1つ見るところまで進みます。

最初の1か月は「順番」でつながる

多いのは「ゼロから」ではなく「途中で止まった」状態

SNSを任される時点で、公式アカウントはすでにあることが多いです。フォロワーは数十から数百、最後の投稿は数か月前、という状態です。

投稿が止まった理由は、次の3つに集まります。

  • 担当者が兼務で、繁忙期に手が離れた
  • 毎回「何を投稿するか」をゼロから考えていて、1本あたりの負担が重かった
  • 誰も数字を見ていないため、続ける理由が社内に残らなかった

新しく立ち上げる手順をそのまま当てると、すでに決まっていることを二度決めることになります。アカウント名も、フォロワーも、過去の投稿の反応も残っているためです。

作り直しには失うものがあります。フォロワーが300人いるアカウントを作り直せば、その300人への接点は0から積み直しです。まず、今あるものを数えてください。

最初の1か月のやり方は、決めること3つと作ること2つ

1か月で決めるのは3つです。今のアカウントを残すか、月に何本出すか、どの数字を見るかです。作るのは2つで、プロフィールと、1か月分の投稿素材です。

この5つは並列ではなく、週の順番でつながっています。前の週の結果が、次の週の入力になります。

  • 第1週の棚卸しの結果が、第2週の前提になります。残して使うなら過去の反応が題材の手がかりになり、作り直すなら最初の数本は自己紹介にあてます
  • 第2週で決めた本数が、第3週に用意する素材の量を決めます。月4本なら素材も4本分です
  • 第3週で素材が揃っていれば、第4週は公開と反応対応だけで済みます
  • 第4週に見た数字が、2か月目の題材と本数を決めます

この5つを並列に見ると、全部を決めてから作ることになります。その進め方では、最初の投稿が1か月先に後ろへずれます。

設計書から作ろうとすると1週目で止まる

想定する顧客の人物像(ペルソナ)や、指標の設計図を先に作ると、1週目が資料づくりで終わります。兼務の担当者が週に使えるのは数時間です。その中で資料を完成させようとすると、公開までたどり着きません。

設計書が必要な場面は、次の2つに限られます。予算の承認を取るときと、複数の部署で分担するときです。この2つに当てはまらないなら、後回しでかまいません。

なお、目的・手法・媒体をまだ1つに絞れていない場合は、先にそこを決めてください。この記事は、それが決まった後の1か月を扱います。

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第1週:止まっているアカウントを棚卸しする

第1週は新しい投稿を作りません。今あるアカウントを点検し、残すか作り直すかを決めます。作業は3つです。過去の投稿の反応を見ること、プロフィールを直すこと、アカウントの扱いを決めることです。合計2〜3時間で終わります。

過去の投稿のうち、反応が残っている3本を見る

管理画面(Instagramならインサイト、TikTokならアナリティクス)を開きます。過去の投稿を反応の多い順に並べ、上位3本だけを見ます。

見る数字は3つです。それぞれ、次の意味を持ちます。

  • 保存:後で見返すために手元に残された数
  • シェア:他の人へ送られた数
  • プロフィールの表示:投稿からプロフィールを見に来た数

いいねの数より、この3つを先に見てください。いずれも、見た人が次の行動に進んだことを示す数字です。

上位3本の共通点を3行でメモします。何が写っていたか、誰が写っていたか、文章の長さです。これが第3週に作る素材の原案になります。

過去の投稿が5本未満で比べられない場合は、ここで時間を使わず第2週に進んでください。

プロフィール文とアイコンを今の事業に合わせる

直すのは3か所です。1行の説明、リンク先、アイコンと名前です。

1行の説明は「(誰)に(何)を届ける(業種)です」の形で書きます。営業時間や場所のように、投稿では毎回書けない情報もここに置きます。

投稿が止まっている間に古くなりやすいのは、リンク先です。終了したキャンペーンのページに飛ぶままでは、再開した初日から取りこぼします。リンクを開いて、今も生きているかを確認してください。

アイコンと名前は、今の正式な社名やサービス名と合わせます。社名で検索した人が見つけられる表記かどうかが判断の基準です。

過去の投稿を残すか消すか、アカウントを作り直すか

扱いは3通りです。今の状態から選んでください。

今の状態 選ぶ扱い 理由
事業もターゲットも変わっていない 残して使う フォロワーと過去の反応が、そのまま題材の手がかりになる
事業は同じだが、見せ方や言葉づかいを変える 残したまま、次の投稿から新しい形に切り替える 過去を消しても印象は戻らない。新しい投稿で上書きするほうが早い
事業名やブランド名が変わった。またはアカウントの名義とパスワードが分からない 作り直す 名義が不明なアカウントは、後から広告の配信や他ツールとの連携ができない

過去の投稿の一括削除は勧めません。消すと、どの投稿に反応があったかのデータも一緒に消えます。第3週の題材の手がかりを自分で捨てることになります。

削除するのは、事実が今と違う投稿だけです。終了した催し、古い価格、閉じた店舗の案内が対象です。

作り直す場合も、前のアカウントはすぐ消さないでください。新しいアカウントを案内する投稿を1本置き、しばらく残しておきます。

第2週:続けられる本数を、使える時間から逆算する

投稿本数は、目標から決めるのではなく、担当者が週に使える時間から逆算します。1本あたりの作業時間は、静止画で1時間前後、短い動画で2〜3時間が目安です。先に時間を数え、その枠に収まる本数を決めてください。

できる工程は「使える時間」で決まる

週に何時間使えるかを先に数える

数えるのは、今週ではなく繁忙期の週です。繁忙期に確保できる時間が、1年続けられる上限になります。

30分単位で、実際に空いている枠を書き出してください。「火曜の午前に1時間、金曜の夕方に30分」のように、曜日と時刻まで決めます。

数に入れるのは制作だけではありません。公開後のコメントやメッセージへの対応も含めます。1日5分でも、週で35分になります。

承認が必要な体制なら、承認者の時間も数えます。提出から公開まで2〜3営業日を見込んでください。この待ち時間を見ていないと、公開日が毎回後ろにずれます。

数えた時間の量で、自分でできる工程の範囲が決まります。ここが本数より先に決まる部分です。

  • 週1時間:公開と反応対応だけができます。素材は既存の写真やチラシから流用します
  • 週3時間:制作まで自分でできます。1本を撮り、文章を書き、公開できます
  • 週5時間:企画と月1回の振り返りまで入ります。次に何を作るかを自分で決められます

時間が足りないときに削るのは、本数ではなく工程です。週1時間しかない状態で企画から始めると、公開に届きません。既存の素材を使い、公開と反応対応に時間を残してください。

1本あたりの作業時間の内訳(企画・素材・編集・公開・反応対応)

1本の裏側には5つの工程があります。静止画と短い動画では、合計が2倍以上変わります。

工程 静止画1本 短い動画1本
企画(何を出すか決める) 10〜15分 20〜30分
素材集め(撮影・写真探し) 15〜20分 40〜60分
編集(文字入れ・切り抜き・書き出し) 15〜20分 40〜90分
公開(投稿文・タグ・予約設定) 10分 10分
反応対応(コメント・メッセージ) 5〜10分 5〜10分
合計 約1時間 約2〜3時間

これは目安です。撮影場所への移動と、社内の確認を待つ時間は含んでいません。

時間が跳ねるのは素材集めと編集です。媒体を動画に決めるなら、静止画と同じ本数は出せない前提で組んでください。

担当者1名なら月4本から始める

担当者1名の兼務なら、月4本が出発点になります。週1本のペースです。この本数を選ぶ理由は3つあります。

  • 制作を第3週のまとめ撮り1回でまかなえる
  • 週に使う時間が、公開と反応対応の1時間前後に収まる
  • 3か月で12本たまり、反応の良い3本と悪い3本を比べられる

使える時間ごとの目安は次のとおりです。

週に使える時間 月の本数の目安 内訳
1時間 4本 静止画のみ。素材は既存のものを流用
3時間 4本+動画1本 静止画4本に、短い動画を月1本足す
5時間 8本 静止画6本+短い動画2本。企画と振り返りも自分で行う

本数を増やすのは、3か月続いたうえで時間に余裕が残ったときだけにしてください。最初に週3本と決めて2週で止まると、比べる材料が1つも残りません。

本数を決めたら、最初の3か月分の投稿プランを先にカレンダーへ入れてください。

第3週:1か月分の素材をまとめて用意する

第3週は、翌月に出す分の素材をまとめて作ります。1本ずつ作る進め方では、毎週「何を出すか」から考え直すことになり、そこで止まります。撮影は月1回に集め、公開だけを毎週に分けてください。

撮影を月1回に集約し、公開だけを週次にする

撮影日を月に1日だけ設けます。3〜4時間を押さえ、その日に4本分の素材を撮ります。1本ずつ撮るのに比べ、道具の準備、場所の片付け、服装や照明の統一が1回で済みます。

撮る順番は、定番の題材を先にします。商品、店内、働く人の様子が定番にあたります。季節や催しに紐づく題材は後に回します。定番は公開の時期を選べるため、予定が崩れても使えます。

公開は週1回、同じ曜日と時刻に固定します。予約投稿を使えば、公開の作業も撮影日にまとめられます。

繁忙期が読めているなら、その前の撮影日で2か月分を確保しておいてください。手が離れる月に在庫があれば、投稿は止まりません。

素材を社内から集める3つの経路

素材は新しく撮るものだけではありません。社内には3つの経路があります。

  1. 現場:店舗、施設、作業や接客の様子。スマートフォンで撮れます。依頼先は現場の責任者です
  2. すでにある販促物:撮影済みの写真、カタログ、チラシ、社内報。撮り直さずに使えます。依頼先は販促や営業の担当者です
  3. 顧客からの声:問い合わせで実際に届いた質問、アンケート、レビュー。読者の関心に近く、依頼先は問い合わせ窓口です

集めるときは、依頼の形を1文に決めておきます。「誰に・いつまでに・どの形式で」を入れてください。たとえば「営業部の担当者に、来週金曜までに、今月よく聞かれた質問を3つ、チャットで」という形です。

現場の情報は、外部から取ることができません。株式会社FIZが担った中央区観光商業まつりのアカウント運用でも、会場や出店の状況を握るのは主催する側でした。自社で運用する場合も、この情報を出す人を決めないと、素材集めが毎月ふりだしに戻ります。

社内から集まらない場合は、2番目の既存の販促物から始めてください。新しく撮る必要がなく、社内の承認も取りやすい経路です。

同じ素材を切り口を変えて使い回す

1回の撮影素材から、切り口を変えて複数本を作ります。同じ写真でも、伝える入り口を変えれば別の投稿になります。

商品1つを撮った素材なら、次の4本に分けられます。

  • 使い方を見せる
  • 作っている人を見せる
  • よく聞かれる質問に答える
  • 顧客が実際に使っている場面を見せる

ただし、同じ写真の色や文字だけを変えた3本は、切り口の違いになりません。何を比べたいのかを決めてから作り分けてください。

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第4週:公開して、見る数字を1つに決める

第4週は公開を始め、見る数字を1つに決めます。数字を決めないまま公開すると、次に何を直すかが勘に頼ることになります。追うのは目的に紐づく数字を1つだけ、残りは記録するだけにしてください。

追う数字は目的に対応するもの1つだけにする

どの数字を追うかは、認知・獲得・関係維持・採用という目的で決まります。ここでは、決めた1つをどう記録するかに絞ります。

用語の意味は先に押さえてください。リーチは投稿を見た人の数、エンゲージメントはいいね・保存・コメントなどの反応の合計です。

記録は表1つで足ります。月に1回、次の4項目を1行だけ書いてください。

  1. 月と、公開できた本数
  2. 決めた数字の値
  3. 反応が良かった3本の題材
  4. 来月変えること1つ

管理画面の数字を全部写すと作業が増え、2か月目で記録そのものが止まります。判断に使う数字だけを残す形が続きます。

月1回、反応の良い3本と悪い3本を並べる

月末に、反応の多い3本と伸びなかった3本を横に並べます。この6本を比べる項目は4つです。

  • 題材(何を写したか)
  • 形式(静止画か動画か)
  • 最初の1文
  • 公開した曜日と時刻

6本を見比べると、来月変える1点が決まります。変えるのは1回に1点だけです。題材と形式を同時に変えると、どちらが結果を動かしたのか分からなくなります。

12本たまるまでは、傾向は読み切れません。3か月目までは、本数を揃えることを優先してください。

目的が1つに定まっているアカウントでは、比べる軸も少なく済みます。株式会社FIZは採用目的のアカウント運用も手がけています。目的が採用に定まっていれば、見る数字は応募につながる動きに絞れます。目的が複数あるアカウントほど、この比較には時間がかかります。

2か月目以降に足すもの(広告・外注)の判断

1か月目の結果は4通りに分かれます。次にすることも、それぞれ違います。

1か月目の結果 2か月目にすること
決めた本数を出せて、数字も動いた 本数は変えず、題材を反応の良かった方向へ寄せる
決めた本数を出せたが、数字が動かない 題材か媒体の一方だけを変える。両方を同時に変えない
本数を出せなかった 本数を半分に下げるか、制作だけを外に出す
出せているが、届く人数が伸びない 広告で入口を作る。ただし追う数字は変えない

外に出す場合、全部を任せる必要はありません。第3週の制作だけ、あるいは編集だけを渡す形もあります。

外に出しても、素材の提供と内容の確認の時間は社内に残ります。自社で1か月動かした経験があると、この残る作業の見込みが立てやすくなります。

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SNSマーケティングの始め方に関するよくある質問

投稿が止まったアカウントは作り直したほうがよいですか

残して使うほうが早く動き出せます。フォロワーと過去の反応は、作り直すと0に戻ります。

作り直す判断になるのは2つの場合だけです。事業名やブランド名が変わった場合と、アカウントの名義やパスワードが分からない場合です。過去の投稿は全消しにせず、事実が今と違うものだけを削除してください。

投稿は何本たまれば成果が見えますか

比べられるようになるのは12本前後です。週1本なら3か月にあたります。

3本や5本では、反応の差が題材によるものか偶然かを見分けられません。判断の時期は3か月後に置き、それまでは本数を揃えることを目標にしてください。

担当者1名で複数のSNSを運用できますか

1名なら1つに絞ってください。2つに増やすと、公開と反応対応にかかる時間が倍になります。

投稿の形式も、返ってくる反応の質も媒体ごとに別です。そのため、同じ素材を流用しても手間はそれほど減りません。2つ目を持つなら、同じ素材を置くだけの場として扱い、反応対応は行わないと決めておく方法があります。

最初から外部に任せたほうが早いですか

社内に素材の出し手も確認する人もいない場合は、外に任せるほうが早く動きます。ただし、任せた場合も月に数時間の確認と情報提供は社内に残ります。

自社で1か月動かしてから判断すると、見積の読み方が変わります。1本あたりの作業時間を体感しているためです。

自社で始める場合、費用はいくらかかりますか

現金で出る額は小さく、費用の大半は担当者の時間です。月4本なら月4〜8時間が目安で、これに担当者の時給を掛けた額が実質の費用になります。

道具は手持ちのスマートフォンで足ります。編集アプリは無料のものから始められます。有料版に上げる場合も、月額は数百円から千数百円の幅です。たとえばCanva Proは年払い11,800円です(1人・2026年9月時点の公式価格)。

まとめ:始め方は「使える時間」から決める

SNSマーケティングの始め方について、要点を整理します。

  • 止まっているアカウントがあるなら、新規立ち上げの手順ではなく棚卸しから始める
  • 最初の1か月は、第1週が棚卸し、第2週が本数の決定、第3週が素材づくり、第4週が公開と数字の確認
  • 本数は目標からではなく、週に使える時間から逆算する。静止画1本に約1時間、短い動画1本に2〜3時間
  • 担当者1名なら月4本から。3か月で12本たまると、良い3本と伸びなかった3本を比べられる
  • 追う数字は目的に紐づく1つだけ。来月変えるのは1点に絞る

まずは、繁忙期の週に自分が何時間使えるかを30分単位で書き出すことから始めてみてください。本数は、その時間から決まります。

株式会社FIZは、Z世代に届くSNSマーケティング・インフルエンサー施策に強みを持つ会社です。自治体の催しから企業の採用まで、目的の異なるアカウントの運用を手がけてきました。自社で始めるか外に出すかの線引きも含め、ご相談はお問い合わせページからお願いします。