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採用の広告運用|広告6種類の選び方と応募単価の下げ方

採用の広告運用|広告6種類の選び方と応募単価の下げ方

求人媒体に出しているのに、応募が来ない月が続く。人を採る側にとって、これほど動きにくい状態はありません。次の手としてデジタル広告が挙がっても、出す先を決められません。いくらかかるのかも読めず、社内に出す提案の形になりません。

この記事でわかること

  • 採用で使える広告の種類と選び方
  • 求人媒体・採用アカウントとの違い
  • 指標にする段階の決め方
  • 応募単価の決め方と下げ方
  • 出したあとの運用と直す順番

採用の広告運用で使える広告の種類と選び方

採用に使える広告のうち、出しながら金額と相手を動かせるものは6種類です。検索連動・求人検索エンジン・SNS・動画・LINE・ディスプレイの6つです。このほかに、枠や紹介を買う形の手段があります。自社が出す先は、採りたい人の年齢と職種、そしてその人がいま仕事を探しているかどうかで決まります。

広告の種類の一覧

種類 届きやすい求職者 課金の形 費用の出方 注意する点
検索連動の広告(Google 広告・Yahoo!広告) 職種名や資格名で探している人 クリック課金 クリックされた分だけ 求人媒体と同じ語で競合する
求人検索エンジン(Indeed・求人ボックス・スタンバイ) 求人を検索している人 クリック課金(無料で掲載を始める枠もある) クリックされた分だけ。予算の上限を決められる 掲載の仕組みが媒体ごとに違う
SNSの広告(Instagram・Facebook・TikTok) 年齢や地域で指定した層。探していない人も含む 表示やクリックに応じて 1日の予算、または掲載期間全体の予算 同じ素材を出し続けると反応が落ちる
動画の広告(YouTube・TikTok) 仕事の中身が文字では伝わりにくい職種 再生や表示に応じた形がある 配信費とは別に制作費 撮影の手配が要る
LINEの広告 応募の前にやり取りをしたい相手 友だち追加や表示に応じて 配信費と、返信する人手 登録のあとに返す担当が要る
ディスプレイ・リターゲティングの広告 採用ページを見たが応募しなかった人 表示やクリックに応じて クリックされた分だけ 見た人が少ないと配信先がそろわない
総合型・特化型の求人サイト 媒体に登録して探している人 掲載課金(枠を買う) 掲載の期間に対して 応募が来なくても費用は動かない
ハローワーク 地域で仕事を探している人 無償 かからない 掲載の体裁を自社で選べない
人材紹介 転職を決めている人 成果報酬 入社が決まったときに 1人あたりの費用が大きい
紙媒体・交通広告 その地域で生活している人 掲載課金(枠を買う) 掲載や貼り出しの期間に対して 出したあとに内容を変えられない
合同説明会・採用イベント その場に来た人 出展料 開催1回ごとに 当日の人手が要る
自社の採用サイト すべての手段の受け皿 制作費・運用費 作るときと、直すとき 作っただけでは人は訪れない

はじめの6種類は、配信しながら金額も相手も変えられます。求人サイト・ハローワーク・人材紹介・紙媒体と交通広告・合同説明会は、買った枠や決まった成果に対して払う形です。自社の採用サイトは、どの手段を選んでも受け皿になります。課金の形は、2026年9月23日時点の各媒体の公式ページの記載によります。

検索連動の広告

出し先はGoogle 広告とYahoo!広告の2つで、どちらもクリックされたときに費用が発生します。Yahoo!広告の公式ページには、広告が掲載されてもクリックされなければ料金は一切かからないと書かれています。Google 広告のクリック単価制も、クリックに対して料金を払う仕組みです。

求人媒体も同じ語に出稿しています。そのため、職種名だけの語では単価が上がります。勤務地・雇用形態・資格名を足した語に絞ると、競合が減ります。

求人検索エンジン

代表的なものはIndeed・求人ボックス・スタンバイの3つで、どれも掲載を始めるところは費用がかかりません。費用が出るのは、求人がクリックされたときです。

  • Indeed:無料で求人掲載を始められ、長期契約も必要ないと公式ページに書かれています。費用が発生するのは求人がクリックされたときで、予算と掲載期間は自分で設定できます。上限金額も決められます
  • 求人ボックス:有料の掲載は固定費なしで、求人がクリックされた分だけ費用が出ます。予算は1日あたりの金額で設定します
  • スタンバイ:掲載料金と初期費用が無料で、求人票がクリックされて初めて料金が発生します。有料の配信は日ごと・月ごとの上限額を設定でき、応募や採用のときの成功報酬はありません

管理画面の細かい設定や、検索の上位に出すための調整は、媒体を扱う代理店に任せる範囲です。自社で組み立てるデジタル広告とは、依頼する相手が分かれます。

SNSの広告

いま仕事を探していない人にも表示できるのは、配信する相手を年齢・地域・興味関心で指定できるためです。予算は1日あたりの金額か、掲載期間全体の金額かで決めます。

Meta広告(Instagram・Facebook)では、1日の予算か通算予算のどちらかを選びます。1日の予算は1日ごとに支払う費用の平均額で、通算予算は掲載期間全体で支払う費用の上限額です。TikTokでは入札額と1日あたりの支出額を設定し、日次か通算の予算を選びます。配信の相手は、デモグラフィック・興味・行動・デバイスなどの区分で絞れます。

専門職や管理職を採る場合は、ビジネス向けのLinkedInも出す先の候補に入ります。

動画の広告

現場の様子や1日の流れを映すと、未経験の人でも働く場面を思い描けます。文字だけの求人では伝わらない中身を見せられるためです。出し先はYouTubeやTikTokで、動画の再生回数に応じて費用が出る課金の形もあります。

配信費とは別に、撮影と編集の費用がかかります。採用向けに動画を作った例が八翔ビル管理の採用ムービーです。

LINEの広告

応募の前に連絡先を受け取りたいときの出し先になります。課金の形には、友だち追加に対して費用が出るものがあるためです。配信できる面は、トークリスト・LINE NEWS・LINE VOOM・ミニアプリタブ・LINEチラシなどです。配信の相手は、性別・年齢・地域などのみなし属性で絞れます。LINE公式アカウントで取得したデータを配信に使うこともできます。

登録された後に返信する人手が要ります。誰が何時間以内に返すかを、出稿の前に決めてください。

ディスプレイ・リターゲティングの広告

採用ページを訪れた人数がそろってから足す手段です。訪れた人が少ないと、もう一度出す相手がそろいません。Yahoo!広告のディスプレイ広告は、バナーや動画の形で配信します。出せる場所は、Yahoo! JAPANのトップページや主要提携サイト、LINEアプリのトークリストなどです。

運用しない採用の手段

出したあとに金額や相手を変えられない代わりに、かかる費用が先に確定します。

  • 総合型・特化型の求人サイト:掲載の期間に対して費用が決まります。応募が来ても来なくても金額は同じです
  • ハローワーク:国(厚生労働省)が運営する雇用サービス機関です。公式の説明では、求人事業主に対してもさまざまなサービスを無償で提供すると書かれています
  • 人材紹介:入社が決まったときに費用が出ます。採用できなければ費用は出ませんが、1人あたりの金額は大きくなります
  • 紙媒体・交通広告:掲載や貼り出しの期間に対して費用が決まります
  • 合同説明会・採用イベント:出展料に加えて、当日に立つ社員の時間がかかります

出す先の絞り方

出す先は、最初から2つまでに絞ります。3つ以上に分けると1つあたりの配信量が小さくなり、どれが自社に合うかを判断できないためです。

  1. ステップ1:採る相手の年齢を1つの幅に決める:20代前半か、30代以降かで、届く場所が変わります
  2. ステップ2:その人がいま仕事を探しているかを考える:探している最中なら検索連動の広告と求人検索エンジンです。探していないならSNSの広告と動画の広告になります
  3. ステップ3:手元にある素材で出せる形を選ぶ:写真しかないなら検索連動から、現場を撮れるなら動画を含む形から始めます

2つに絞ったら、どちらにいくら配分するかを先に書き出します。配分は後から変えられますが、開始時の配分を記録しておくと比較ができます。

求人媒体への掲載・採用アカウントの運用との違い

違うのは、届く相手・費用の出方・結果が出るまでの時間の3つです。求人媒体への掲載は、探しに来た人に見つけてもらう形です。デジタル広告は、こちらから相手の画面に出す形です。採用アカウントの運用は、時間をかけて知ってもらう形です。

求人媒体への掲載

応募の意欲は、3つの中でいちばん高くなります。すでに転職や就職を決めた人が、自分から訪れる場所だからです。

届く相手は、その媒体を訪れた人に限られます。同じ職種の募集が増えると枠の中での競争になります。掲載費が上がっても応募が増えない状態は、ここで起きます。

採用のデジタル広告

反応を見ながら、配信の途中で予算も配信先も組み替えられます。採用のデジタル広告は、採用Web広告とも呼ばれます。年齢・地域・興味関心を指定して出すため、いま転職活動をしていない人にも表示されます。

届く母数は広がりますが、応募の意欲は媒体より低い前提で組み立てます。

採用アカウントの運用

広告費はかからない代わりに、投稿を作る人手と時間がかかります。止めても投稿とフォロワーが残る点が、広告との違いです。

求職者に自社をどう見てもらうかを整える取り組みは、採用ブランディングと呼ばれます。アカウントの運用は、その入口にあたります。アカウントから応募につなげた例が採用のTikTok・Instagramアカウント運用です。

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課金の形の違い

何に対してお金が出るかは、5つに分かれます。

課金の形 何に対して払うか 使われている場所
クリック課金 広告がクリックされた回数 検索連動の広告、求人検索エンジン
表示課金 広告が表示された回数 SNSの広告、ディスプレイの広告
視聴課金 動画が再生された回数 動画の広告
掲載課金 掲載した期間 求人サイト、紙媒体、交通広告
成果報酬 入社などの決まった成果 人材紹介

クリック課金と表示課金は、出した後に単価が動きます。掲載課金と成果報酬は、契約の時点で金額の決まり方が固定されます。

3つの役割分担

どれか1つが優れているわけではありません。

手段 届く相手 費用の出方 結果が出るまで
求人媒体への掲載 媒体を訪れた、探している人 掲載の期間に払う 掲載している期間の中
デジタル広告 指定した配信対象。探していない人も 表示やクリックに払う 配信した日から
採用アカウントの運用 投稿が届いた人、検索して来た人 人手、または外注費 数カ月単位

デジタル広告を足さないほうが早い場合もあります。次の3つのどれかに当てはまるなら、先に別の手を打ってください。

  • 求人媒体だけで応募数が足りている:広告を足しても、同じ人に二重に届くだけです
  • 募集条件そのものが地域の水準と離れている:応募の前の段階で止まるため、配信を増やしても応募は増えません
  • 月に出せる広告費が小さすぎる:判断の材料が貯まる前に予算が尽きます

指標にする段階の決め方

金額を決める前に、指標を決めます。求職者は応募・面談実施・入社と段階を進みますが、広告が直接増やせるのは応募までです。どこを指標に置くかで、直す場所も費用の見方も変わります。

広告で買えるのは「応募」まで

広告が直接増やせる段階

応募は、広告が直接増やせる段階です。配信を増やせば増え、止めれば止まります。

面談実施は、指標をここに置く設計もできる段階です。応募した人が実際に面談に来たかまでを数え、1件あたりの費用を見ます。

入社は、広告の外側で決まる段階です。選考の進め方や提示した条件で決まるため、広告の設定では動かせません。段階が後ろに行くほど、広告の届く範囲は狭くなります。

応募単価だけを目標にした場合

応募単価は、下げること自体は難しくありません。応募のハードルを下げれば件数は増えるためです。

ただし、仕事の中身を理解しないまま応募した人は、面談の前に連絡が取れなくなります。応募数は増えても、面談に来る人数は増えません。防ぐには、応募数と一緒に面談実施の数を毎月記録します。2つを並べて初めて、応募の質が落ちたことに気づけます。

指標の置き方3つ

指標の置き方は、大きく3つに分かれます。

指標の置き方 数える対象 向いている状況
応募を指標にする 応募フォームの送信 まず母数を増やしたい
面談実施を指標にする 面談に来た件数 応募は来るが面談に来ない
登録・連絡先を指標にする 公式LINEの登録や資料請求 応募の前にやり取りをしたい

3つ目は、応募の手前にもう1つ段階を置く形です。すぐに応募しない層を、連絡先を受け取ってから追いかけられます。

自社の指標の決め方

いま止まっている場所から決めます。

  1. 応募数そのものが足りない:応募を指標にします
  2. 応募は来るが、面談の前に連絡が途切れる:面談実施を指標にします
  3. すぐに応募する人が少ない職種や、検討に時間がかかる募集:登録・連絡先を指標にします

決めたら、その地点を広告の管理画面で数えられる状態にします。数えられない指標は、目標に置いても運用できません。

応募単価の決め方と下げ方

目標の応募単価は、相場を調べて決めるものではありません。採用1人あたりに出せる金額から逆算します。そのうえで応募単価をクリック単価と転換率に分けると、高いときに直す場所を特定できます。

応募単価と採用単価の違い

応募単価は、広告費を応募数で割った数字です。応募CPAとも呼ばれます。CPAは獲得1件あたりの費用を指す言葉です。

採用単価は、1人の入社にかかった費用です。採用CPAとも呼ばれます。応募10件から1人が入社するなら、採用単価は応募単価の10倍になります。社内で報告するときは、どちらの数字かを毎回書き添えてください。2つを混ぜると、予算の根拠が通らなくなります。

目標の応募単価の逆算

1人採用するのにいくらまで出せるかを決め、必要な応募件数で割ります。

1人の採用に30万円まで出せるとします。応募10件から1人が入社しているなら、目標の応募単価は30万円 ÷ 10件で3万円です。応募から入社までの割合が低い職種では、目標の応募単価も下がります。

1人に出せる金額は、欠員のまま残業や派遣で埋めている費用と比べて決まります。過去の記録がない場合は、最初の3カ月を数字を作る期間と決めてください。

月の予算の出し方

月の予算は、目標の応募単価に、月に欲しい応募件数を掛けて出します。

目標の応募単価が3万円で、月に3件の応募が欲しいとします。必要な広告費は9万円です。この計算で出た金額を下回る予算で始めると、応募が1件も出ないまま月が終わることがあります。

金額を下げたいときは、予算ではなく目標の応募単価から見直します。応募の前に公式LINEの登録を置く形にすると、1件あたりの単価は下がります。

応募単価を決める2つの数字

応募単価は、クリック単価と応募までの転換率の2つに分かれます。クリック単価は、広告が1回クリックされるごとにかかる費用です。CPCと呼ばれます。応募までの転換率は、クリックした人のうち応募まで進んだ割合です。CVRと呼ばれます。

応募単価 = クリック単価 ÷ 応募までの転換率

クリック単価が100円で、クリックした人の2%が応募したとします。応募単価は100円 ÷ 0.02で5,000円です。転換率が1%なら1万円になります。応募単価が高い原因はこの2つしかありません。打ち手も2つに仕分けられます。

クリック単価を下げる打ち手

打ち手 何を変えるか
配信対象を絞る 年齢と地域を、通勤できる範囲まで狭める
媒体を変える 同じ職種でも、媒体によって競合の数が違う
素材の本数を増やす 出し続けると反応が落ちるため、差し替える
入札の金額を段階的に下げる 一度に大きく下げず、配信量を見ながら刻む

3つ目が見落とされがちです。求人の広告は、同じ地域の同じ層に繰り返し表示されます。同じ写真と文面のままでは、見飽きられて反応が落ちます。

応募までの転換率を上げる打ち手

転換率が低いときは、広告をクリックした人が最初に着くページから見直します。このページはLP(ランディングページ)と呼ばれます。

  • 先に条件を出す:給与・勤務時間・勤務地・必要な経験を、スクロールせずに読める位置に置きます
  • 応募フォームの入力項目を減らす:履歴書の添付を必須にすると、その場で応募する人は減ります
  • 広告とページの内容をそろえる:広告で見せた条件がページに書かれていないと、そこで離れます
  • 募集条件そのものを見直す:ページを直しても上がらないなら、条件が地域の水準と合っていない可能性があります

どちらが原因かの見分け方

原因は、2つの数字を先月と比べれば切り分けられます。

  1. クリック単価を先月と比べる:上がっているなら、配信対象か素材の問題です
  2. クリック数と応募数を比べる:クリックは同じで応募が減っているなら、ページか募集条件の問題です

両方が同時に悪化したときは、配信対象から先に直してください。配信対象を変えると、クリック単価と転換率の両方が動きます。

費用相場の数字の扱い

調べた相場の金額を、そのまま自社の目標に置かないでください。応募単価は、職種・地域・雇用形態・指標を置いた段階で大きく変わるためです。

同じ広告費でも、都市部の事務職と地方の現場職では届く人数が違います。指標を面談実施に置けば、応募に置いた場合より単価は高く出ます。相場の数字は、自社の数字が出たあとに位置を確かめる材料として使ってください。目標そのものは、採用1人あたりに出せる金額からの逆算で決めます。

出す前に決める5つ

配信を始める前に決めるのは、採る相手・エリア・動かせる条件・条件の書き方・受け皿の5つです。この5つが決まっていないと、広告の設定を何度も作り直すことになります。逆に決まっていれば、設定は1日で組めます。

1 採る相手

採る相手は、1つの募集につき1つに絞ります。未経験の20代と経験者の40代では、届く場所も刺さる条件も違うためです。

決める項目は4つです。年齢の幅、経験の有無、雇用の形(正社員・パート・アルバイト)、働き方(日勤・交替・在宅)。2つの相手を同時に採りたいときは、広告も予算も分けて出します。

2 エリア

エリアは、通勤できる範囲で決めます。範囲を超えて配信すると、応募の後に通勤を理由に辞退されます。

判断の材料は、いま働いている社員の通勤時間です。最も遠い社員の時間を上限に置くと、現実的な範囲になります。応募が集まらない場合は、範囲を広げる前に条件の見直しを先に試してください。

3 動かせる募集条件

広告を出す前に、変えられる条件と変えられない条件を分けます。転換率が上がらないとき、直せる場所がすぐ分かるためです。

多くの場合に動かせるのは、勤務の開始時刻、週の勤務日数、試用期間の長さ、資格取得の支援です。動かしにくいのは、基本給の水準と勤務地です。動かせる条件を決裁の前に確認しておくと、運用の途中で止まりません。

4 募集条件の書き方

募集の広告にも、明示しなければならない労働条件があります。厚生労働省は、令和6年4月からの明示事項の追加として3つを挙げています。従事すべき業務の変更の範囲、就業の場所の変更の範囲、有期労働契約を更新する場合の基準に関する事項の3つです。

実際の条件より良く見せる書き方も避けます。応募の後に条件が違うと分かれば、辞退や早期の離職につながります。自社の募集がルールを満たしているかは、出稿の前に自社の法務や社会保険労務士へ確認してください。

5 受け皿

広告をクリックした人が着く場所を、配信の前に作ります。受け皿が無い状態で配信すると、クリックの費用だけが出ます。

最小の形は、募集内容を読めるページと、氏名と連絡先を受け取るフォームの2つです。公式LINEの友だち追加を受け皿にする形でも始められます。応募フォームで受け取る氏名や連絡先は、応募者の個人情報にあたります。利用目的の扱いは個人情報保護委員会のQ&Aで確認し、運用の前に自社の法務や専門家へ相談してください。

出したあとの運用

配信を始めたら、週ごとに同じ数字を見ます。見る順番は、表示・クリック・応募・面談実施の順です。前の段階が足りていないのに後ろを直しても、数字は動きません。

応募の数え方

応募をどこで数えるかを、配信の前に決めます。数え方が決まっていないと、広告の管理画面の数字と社内の応募者リストが合いません。

決めるのは3つです。応募の完了ページを用意するか、応募フォームの送信を数えるか、電話の問い合わせを含めるか。複数の手段で応募を受ける場合は、どこから来たかが分かる形にします。

週ごとに見る数字

毎週、同じ4つの数字を同じ形で記録します。

数字 見る意味 下がっているときに疑う場所
表示回数 配信が出ているか 予算、配信対象の広さ
クリック数 広告が見られているか 素材、広告の文面
応募数 ページで応募まで進んだか 採用ページ、応募フォーム
面談実施数 応募の質が保てているか 募集条件、応募後の連絡の速さ

記録は1つの表にまとめ、先週の数字を横に並べます。月に1回の集計だけでは、悪化に気づくのが遅れます。

素材の差し替えと比べ方

素材は、同じものを出し続けないようにします。同じ地域の同じ層に繰り返し表示されるので、反応が落ちていきます。

比べるときは、写真か文面のどちらか一方だけを変えた2つを同時に出します。両方を同時に変えると、どちらが理由で数字が動いたか分かりません。差し替えの目安は、クリック率が前の週より下がったときです。

配信対象の広さ

配信対象は、狭くしすぎると配信が止まります。条件に当てはまる人が少なすぎると、広告を出す相手がいなくなるためです。

年齢を5歳幅に区切り、エリアを1つの市区町村に限り、さらに興味関心も足す。この3つを重ねると、配信量が急に落ちます。絞るのは1つずつにして、配信量を見ながら次を足してください。

配信開始直後の見方と向かない募集

配信は開始した日から始まりますが、良し悪しの判断には時間がかかります。配信の仕組みが、どの人に出すと応募につながるかを学ぶためです。

判断できるのは、反応の悪い素材を入れ替えた結果まで見たあとです。最初の3カ月は、自社の数字を作る期間として見てください。数日で1人だけ採りたいスポットの募集には向きません。この場合は求人媒体への掲載や人材紹介のほうが早く進みます。

自社で運用するか任せるかの決め方

自社で運用するか任せるかは、社内に使える時間があるかで決まります。デジタル広告の運用は、設定して終わりではなく、毎週数字を見て直す作業が続くためです。任せる場合の費用は、広告費とは別に手数料がかかります。

自社で運用する場合にかかる手間

自社で運用すると、手数料はかかりません。その代わり、毎週の作業が社内に残ります。

残る作業は、数字の記録、素材の差し替え、応募者への連絡、募集条件の調整です。素材を作る人が社内にいない場合は、写真と文面の用意が最も詰まります。採用の担当者が他の業務と兼務している場合、この時間が確保できるかを先に確かめてください。

任せる場合の確認事項2つ

確かめるのは、成果をどこで数えるかと、応募の質が落ちたときに気づけるかの2点です。契約の前の商談で聞けます。

  1. どの段階までを成果として数えますか:ここがずれると、報告の数字と社内で見たい数字が合いません
  2. 応募の質が落ちたとき、何を見て気づきますか:面談実施の数まで追っているかが分かります

応募数だけを報告する体制だと、面談に来ない応募が増えても気づけません。

手数料と任せる範囲の決め方

採用の広告だけを切り出して任せることも、求人媒体の運用とまとめて任せることもできます。見積では、手数料が預けた広告費から引かれるのか、広告費とは別に加算されるのかを確かめてください。

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採用広告の運用事例6件

6件は指標が3種類に分かれ、単価の水準も業種ごとに違います。株式会社FIZが運用した案件です。相場ではなく、条件が違えば結果も違う材料として読んでください。

応募を指標にした3件

自社の欠員を埋める採用で、応募を指標に置いた3件です。

案件 使った媒体 指標 数値
RERISE Google・Instagram・LP・SNS 応募単価/月間応募数 6,000円/応募・月50応募
バイセップス TikTok・Googleリスティング・Instagram・LP 応募CPA 初期の目標30,000円に対し10,000円を継続維持
日本タクシー Google・Instagram・LP・SNS 求人応募CPA 約66%削減

株式会社RERISEは、採用でデジタル広告を実施するのが初めての会社でした。RERISEの実績ページには、業界相場についての記述があります。デジタル広告からの応募は1応募100,000円程度といわれる、という内容です。結果は応募単価6,000円、月50件の応募でした。

バイセップスと日本タクシーは、株式会社読売エージェンシー大阪からの発注です。バイセップスは土木・警備の人材をデジタル広告から募集する案件でした。初期の目標は応募CPA30,000円で、実際には10,000円を継続して維持しています。日本タクシーは、ほとんど応募が来ない状態が半年以上続いた案件です。運用を見直し、求人応募CPAを約66%削減しました。

面談実施・LINE登録を指標にした3件

3件とも、自社の欠員を埋める採用ではありません。人材紹介やキャリア支援のサービスが、利用する求職者を集めた案件です。広告で求職者を集める構造は同じですが、目的が違います。

案件 事業の種類 使った媒体 指標 数値
KEiTEN 中途の人材紹介 Instagram・LINE・Meta広告 面談実施単価 15,000円
アゲルキャリア 中途の人材紹介 Instagram・LINE・TikTok・Meta広告・LP 面談実施単価 18,000円
DMMキャリアグリップ キャリア支援サービス Google・Instagram・LINE・TikTok・X・LP 公式LINE登録のCPA 当初の約50%に削減

KEiTENは株式会社ANCa、アゲルキャリアは株式会社HRteamの案件です。どちらも中途の人材紹介事業で、転職希望者や若年層を集めました。両社の実績ページには、面談実施の業界相場単価は35,000〜45,000円という記述があります。実際の単価は15,000円と18,000円でした。

DMMキャリアグリップは株式会社ハッシャダイの案件です。デジタル広告からの公式LINE登録の単価が高く、運用の最適化ができていない状態からの開始でした。登録のCPAを当初の約50%まで下げています。

3件とも、指標が応募ではありません。応募の手前や先に指標を置く設計が、実際に選ばれている例です。

6件から分かること

6件の単価は6,000円から18,000円まで開きますが、相場として読むことはできません。理由は3つあります。

  1. 指標が違う:面談実施は応募より後ろの段階なので、単価は高く出ます
  2. 職種と地域が違う:競合の数も、配信する対象の人数も変わります
  3. 開始時の状態が違う:初めて出す場合と、すでに出している運用を直す場合では、動かせる幅が違います

自社の目標は、採用1人あたりに出せる金額からの逆算で決めてください。6件の数字は、指標の置き方に幅があることを確かめる材料として使えます。

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採用の広告運用に関するよくある質問

応募は増えたのに採用に至りません。何を直せばよいですか

広告ではなく、応募の後ろを見てください。応募が増えている時点で、広告は役割を果たしています。

確認するのは3つです。応募から連絡までの時間、面談で伝えている条件、他社と比べた提示条件。連絡までの時間は、最初に短くできる場所です。

欠員が埋まったら、広告は止めてよいですか

止められますが、再開したときに同じ単価には戻りません。配信の仕組みが学習し直すため、立ち上がりに時間がかかります。

通年で採用する職種なら、金額を下げて続けるほうが安定します。単発の募集なら、止めて問題ありません。

求人媒体への掲載と同時に出すと、費用が二重になりませんか

同じ人に二重に払うことは起きにくい形です。求人媒体は掲載の期間に払い、デジタル広告はクリックや表示に払うためです。

ただし、同じ人が両方を見ることはあります。どちらから応募が来たかを分けて数えられる状態にしてから、両方を出してください。

まとめ

採用に使える広告は種類が多いため、採る相手の年齢と職種で出す先を2つまでに絞ってから始めます。金額は相場に当てはめず、採用1人に出せる金額から目標の応募単価を逆算してください。目標の応募単価を出す材料は、直近1年の選考記録にある「応募何件で1人が入社したか」の数です。

株式会社FIZは、Z世代に届くSNSマーケティング・インフルエンサー施策に強みを持つ会社です。採用と求職者集客のデジタル広告では、応募単価6,000円での月50応募を担当しました。求人応募CPAを約66%削減した案件もあります。ご相談を承ります。