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広告運用代行の手数料と任せる範囲の決め方

広告運用代行の手数料と任せる範囲の決め方

広告運用代行の手数料は「広告費の20%」と示されることが多くあります。ただし同じ20%でも、預けた予算の中から引かれるのか、別に加算されるのかで支払総額は変わります。制作費が含まれるのか、レポートが付くのか、自社の予算でそもそも受けてもらえるのか。この条件を揃えないまま見積を集めても、比べる土俵に乗りません。この記事では、料金体系の3つの型と、内掛け・外掛けで支払総額が変わる仕組みを整理します。そのうえで、手数料に含まれる業務と別料金になる業務の線引きを示します。さらに、広告費がいくらから代行が成立するのかを金額の目安つきで解説します。株式会社FIZは、自治体や採用領域の広告運用とクリエイティブ制作の両方を手がけてきました。発注する側の視点でまとめています。読み終える頃には、見積書のどの行を確認すればよいかが分かり、複数社の提示額を同じ物差しで並べられるようになります。

広告運用代行に任せられる仕事と、自社に残る仕事

広告運用代行は、広告の設計から配信、改善までを外部の会社が担当するサービスです。ただし、すべての工程が社外に出るわけではありません。商品情報の提供と掲載内容の最終確認は、発注した側に残ります。

代行会社が担当する5つの工程

代行会社が引き受ける業務は、おおむね次の5つに分かれます。

工程 内容
1. 目標とターゲットの設計 獲得件数や獲得単価の目標を決め、配信対象を設計する
2. アカウントと計測の設定 広告アカウントを開設し、成果を計測するタグを設置する
3. クリエイティブの制作 バナー・動画・広告文を作る
4. 配信と入札の調整 予算配分や入札額を日々調整する
5. レポートと改善提案 実績をまとめ、次の打ち手を提案する

この5工程のうち、どこまでが手数料に含まれるかは会社ごとに違います。特に3のクリエイティブ制作は、手数料の外に置かれることが多い工程です。

発注側に残る3つの作業

任せた後も、発注側には次の作業が残ります。

  • 商品・サービスの情報提供:訴求できる強み、他社との違い、使ってはいけない表現を渡す
  • クリエイティブと文言の確認:法務チェックやブランド表現の判断は社内でしか下せない
  • 問い合わせ後の対応:広告経由で来た問い合わせに応対するのは自社

確認のやり取りは月に2〜4回、定例のミーティングは週1回30分程度が一般的な進め方です。ここに人を置けないと、制作物の確認が滞って配信が止まります。

「丸投げ」が成立しない理由

広告の成果を決めるのは、媒体の操作よりも訴求の中身です。何を強みとして打ち出すかは、商品を持っている側にしか分かりません。

株式会社FIZは大阪バス協会の2024年問題を伝えるプロモーションを手がけました。この案件では、業界特有の事情を発注側から引き出すところから設計しています。

伝える中身が固まらないまま配信を始めると、改善の打ち手が出てきません。数字が悪かったときに変えられるのが入札額と配信対象だけになり、訴求そのものを直せないためです。最初の1カ月で情報提供に時間を割いたほうが、結果的に早く回り始めます。

手数料の仕組み|3つの料金体系と、内掛け・外掛けの違い

広告運用代行の手数料は、広告費の20%が目安です。幅としては10〜25%に収まります。ただし料金の決め方には3つの型があり、どれを選ぶかで負担の性質が変わります。

3つの料金体系の違い

料金体系 費用の決まり方 目安 向いているケース
広告費連動型 広告費に対する割合 10〜25%(中心は20%) 広告費が月25万円以上あり、今後増やす予定がある
固定報酬型 毎月定額 月5万〜10万円程度 広告費が少額で、割合だと下限を下回る
成果報酬型 成果1件あたりの単価 案件ごとに設定 成果の定義が明確で、単価に合意できる

広告費連動型|広告費の10〜25%が目安

最も一般的な型です。広告費を増やせば手数料も増え、減らせば減ります。運用にかかる工数が広告費の規模に比例するため、双方が納得しやすい形です。

注意すべきは下限です。最低手数料が月額5万円程度に設定されていることがあります。広告費が月20万円なら20%で4万円となり、この下限に届きません。その場合は下限額のほうが請求されます。見積を取る段階で、最低手数料の有無と金額を確認してください。

固定報酬型|月額5万〜10万円が目安

広告費の増減にかかわらず、毎月同じ金額を払います。予算の見通しが立てやすい形です。

広告費を大きく増やしても手数料は変わらないため、規模が伸びるほど割安になります。逆に、広告費が小さいうちは割高に感じます。

成果報酬型|成果1件あたりで支払う

問い合わせや購入の件数に応じて払う形です。成果が出なければ支払いも発生しません。

ただし「何を成果と数えるか」の定義がずれると、後から揉めます。資料請求も成果に含むのか、既存顧客からの問い合わせは除くのか。契約前に定義を文章で残してください。

もう一つ、成果1件あたりの単価には注意が要ります。単価を低く抑えると、代行会社は取りやすい成果に寄せた運用をします。件数は増えても商談につながらない、という結果になりがちです。件数だけでなく、そのうち何件が商談に進んだかを毎月見てください。

内掛けと外掛けで、実際に配信できる金額が変わる

同じ「20%」でも、支払総額は計算方法で変わります。

  • 内掛け:預けた金額の中から手数料を引く
  • 外掛け:広告費とは別に手数料を払う

月100万円を用意した場合、次のように分かれます。

計算方法 実際の配信額 手数料 支払総額
内掛け 80万円 20万円 100万円
外掛け 100万円 20万円 120万円

内掛けなら支出は100万円で収まりますが、配信に回るのは80万円です。外掛けなら100万円分を配信できますが、支出は120万円になります。見積書に「広告費の20%」とだけ書かれている場合は、どちらかを必ず確認してください。

その手数料に何が含まれるのか|クリエイティブ制作費の扱い

手数料に含まれるのは、配信設定・入札調整・レポートまでが一般的です。バナーや動画の制作は別料金になることが多く、ここが総額を大きく左右します。

手数料に含まれることが多い業務

業務 手数料への含まれ方
配信設定・入札調整 含まれる
予算配分の管理 含まれる
月次レポートの作成 含まれる
定例ミーティング 含まれる(回数に上限がある場合あり)

別料金になりやすい業務

業務 費用の形
アカウント開設・計測タグの設置 初期費用として5万〜10万円程度
バナー・動画の制作 制作を含む契約なら、追加で月額5万〜20万円程度
ランディングページの制作・改善 別見積

クリエイティブ制作を含めるかどうかで、月額は5万〜20万円変わります。「制作込み」と書かれていても、本数に上限が付いていることがあります。本数の条件も合わせて確認してください。

制作そのものの進め方は広告クリエイティブの記事で扱っています。

見積書で必ず確認する3つの行

  1. 手数料の計算方法:内掛けか外掛けか
  2. クリエイティブ制作の扱い:含むか別料金か、含む場合は月何本までか
  3. 最低手数料と最低契約期間:広告費を減らした月にいくら請求されるか

この3行が埋まれば、複数社の見積を同じ条件で並べられます。逆に、この3つが書かれていない見積書は金額の比較に使えません。総額が同じでも、配信に回る額と制作の本数がまったく違う可能性があるためです。商談の場で口頭の説明を受けたら、その内容を見積書に書き足してもらってください。

広告費がいくらから代行が成立するか

広告費の実務上の下限は月25万円です。最低手数料5万円を手数料率20%で割り戻した金額がこの水準にあたります。これを下回ると、実質の負担率が20%を超えていきます。

最低手数料から逆算する

広告費ごとに、実際の負担率がどう変わるかを並べます。最低手数料は月5万円、手数料率は20%で計算しています。

月の広告費 20%で計算した手数料 実際の請求 実質の負担率
10万円 2万円 5万円 50%
25万円 5万円 5万円 20%
50万円 10万円 10万円 20%
100万円 20万円 20万円 20%

広告費10万円で依頼すると、手数料は広告費の半額に相当します。一方で、Web広告を始める会社の広告費は月20万円程度からというのが一般的な水準です。つまり多くの発注者が、この下限のすぐ手前にいます。競合の多い領域では月50万〜100万円になります。

広告費が月25万円を下回るときの選択肢

下限に届かない場合、選べる道は3つあります。

  1. 自社で運用し、制作だけ外注する:配信の操作は社内で行い、バナーや動画だけ発注する
  2. 期間を絞って出稿する:毎月10万円ずつではなく、3カ月分をまとめて1カ月に集中させる
  3. 固定報酬型で受ける会社を探す:月5万〜10万円の定額なら、率の下限に縛られない

2を選ぶ場合は、出稿する時期に意味を持たせてください。イベントの直前、新生活の時期、繁忙期の入り口など、需要が立ち上がるタイミングに寄せると同じ金額でも反応が変わります。年間を通して薄く配信するより、山を作るほうが少額予算では成果を見極めやすくなります。

1を選ぶ場合の判断基準は広告クリエイティブの記事にまとめています。

依頼先を絞り込む4つの判断軸

各社の説明は似ています。差が出るのは、商談で次の4点を聞いたときの答え方です。

自社の商材で運用した実績があるか

業種で聞くより、商材の型で聞くほうが実態がつかめます。単価、検討にかかる期間、購入までに何度接触するか。この3つが近い実績を持っているかが判断材料になります。

BtoBの高額商材と日用品のECでは、運用の勘所が違います。「御社の実績のうち、価格帯と検討期間が当社に近いものはどれですか」と聞いてください。株式会社FIZの日本タクシーの採用ダイレクトマーケティングのように、目的が採用の場合はまた別の設計になります。

広告アカウントの所有権はどちらになるか

代理店名義のアカウントで運用すると、解約したときに配信データが手元に残りません。

自社名義で開設して代行会社に権限を渡す形なら、乗り換えても過去の学習データを引き継げます。契約前に名義を確認してください。

クリエイティブを月に何本作れるか

運用型広告では、配信して反応を見て差し替える回数が成果を左右します。制作本数の上限は、そのまま改善の速度になります。

とくに20代前半までの層に向けた広告では、この本数が効きます。流行している映像の間合いや言葉づかいが数カ月単位で入れ替わるため、同じ素材を使い続けると反応が落ちるのが早いためです。年配層向けの商材と同じ本数で組むと、途中で差し替える弾がなくなります。

「月に何本まで制作できますか」「差し替えの提案は誰が出しますか」の2つを聞いてください。制作会社に別途発注している場合は、提案から納品までの日数も確認しておくと安全です。

レポートに次の打ち手が書かれているか

実績の数字を並べただけのレポートは、判断材料になりません。必要なのは次に何を変えるかです。

商談でレポートの見本を見せてもらい、改善提案の欄があるかを確認してください。会社選びの一般的な進め方はSNSマーケティング会社の選び方にまとめています。媒体をMetaに絞る段階ならMeta広告運用代行の記事が参考になります。

広告運用代行のよくある質問

成果が出るまでどのくらいかかりますか

最初の1カ月は、配信対象とクリエイティブを試す期間になります。最低契約期間が1カ月から6カ月に設定されているのは、改善が回り始めるまでに時間がかかるためです。1カ月で判断を下すと、試した結果を活かす前に終わります。

最低契約期間はどのくらいが一般的ですか

1カ月から6カ月の幅があります。期間の長さそのものより、解約の申し出をいつまでに出せばよいかを確認してください。3カ月契約でも、解約通知が2カ月前必須なら実質は長くなります。

手数料が相場より安い会社に頼んで問題ありませんか

金額だけでは判断できません。安い理由が「制作を含まない」「レポートが自動出力のみ」であれば、その分の作業は自社に戻ってきます。安さの理由を聞き、戻ってくる作業を数えてください。

代理店とフリーランスはどちらに頼むべきですか

広告費が小さく、配信の調整だけを頼みたいならフリーランスが向きます。制作と運用をまとめて任せたい場合や、担当者が離脱したときの代替が必要な場合は会社が向きます。

途中で自社運用に切り替えられますか

広告アカウントが自社名義なら切り替えられます。代理店名義の場合、過去のデータを引き継げないことがあります。内製化を視野に入れているなら、契約時に名義と引き継ぎの条件を決めておいてください。

まとめ:広告運用代行は「手数料の範囲」と「予算の下限」で決まる

  • 手数料の相場は広告費の20%で、幅は10〜25%。最低手数料は月5万円程度
  • 内掛けと外掛けで支払総額が変わる。同じ20%でも100万円と120万円の差が出る
  • 手数料に含まれるのは配信設定・調整・レポートまで。制作を含めると月5万〜20万円が加わる
  • 広告費の実務上の下限は月25万円。下回るなら制作だけ外注する形も選べる
  • 商談では、商材の実績・アカウント名義・制作本数・レポートの中身の4点を聞く

まずは手元の見積書を開いて、手数料が内掛けか外掛けかを確認してみてください。ここが分かるだけで、他社の提示額と同じ土俵に乗せられます。

株式会社FIZは、Z世代に届くSNSマーケティング・インフルエンサー施策に強みを持つ会社です。Meta広告の運用とクリエイティブ制作を同じチームが担当するため、配信と制作を切り離さずに改善を回せます。自治体・観光・エンタメ・採用の領域で支援してきました。広告運用のご相談はお問い合わせページから承ります。