広告を外に出す話が社内で出たものの、そもそも何を頼む仕事なのかがはっきりしないまま、検討だけが進んでいませんか。調べても「広告の配信を代わりに行うサービス」としか書かれていません。何を任せられて、何が自分の手元に残るのかが見えてきません。
この記事でわかること
- 広告運用代行に任せられる業務
- 広告運用代行の費用
- 頼む先4つの違い
- 向いている会社とまだ早い会社
- 依頼前にそろえる4つと会社の選び方
社内で「うちは今これを外に出す段階なのか」を、自分の言葉で説明できるようになります。
広告運用代行とは
広告運用代行とは、運用型広告の設定と調整を外部の会社が引き受ける仕事です。運用型広告は、配信を始めた日から数字が毎日動きます。その数字を見て、止める・増やす・差し替えるを決める作業が毎月発生します。広告運用代行は、この毎月の作業を代わりに担います。
運用型広告とは
運用型広告とは、配信しながら金額と配信先を変えられる買い方です。枠を買い切る広告は、掲載の場所と期間を先に決めて買います。発注した後は、反応が悪くても途中で変えられません。
| 見る点 | 枠を買い切る広告 | 運用型広告 |
|---|---|---|
| 買うもの | 掲載の場所と期間 | 配信そのもの |
| 出した後に変えられるもの | ほとんど無い | 金額・配信先・素材 |
| 反応が分かる時期 | 掲載期間が終わってから | 配信した日から毎日 |
| 人手がかかる時期 | 出すまで | 出した後もずっと |
最後の行が、毎月の費用が生まれる理由です。枠を買い切る広告は、発注した時点で作業がほぼ終わります。運用型広告は、出した後に作業の本体が来ます。広告を出す費用と、運用してもらう費用が分かれて請求されるのもこのためです。
ネット広告に占める運用型広告の割合
インターネット広告の媒体費3兆3,093億円のうち、運用型広告は2兆9,352億円を占めます。構成比は88.7%です。出どころは電通ほか4社の2025年 日本の広告費 インターネット広告媒体費 詳細分析(2026年3月5日発表)です。
ネット広告を出すと決めた時点で、毎月の調整がついてくるということです。動画も例外ではありません。動画広告も、配信しながら差し替える形で出せます。
「運用」の中身
運用と呼ばれている作業は、出す・見る・直すの3つのくり返しです。

- 出す:配信を始める。予算と配信先と素材を設定して、広告を世に出す
- 見る:どの素材にどれだけ反応があったかを数える。問い合わせや予約まで届いたかも見る
- 直す:反応の落ちた素材を止め、新しいものに差し替える。配信先と金額の配分も変える
3が終わったら、また1に戻ります。3つを1回ずつ行う作業ではありません。回り続けるからこそ毎月人手がかかり、月額で買う形になります。枠を買い切る広告には、この回りがありません。
媒体側の自動化が進んでも、この回りが消えるわけではありません。何を1件と数えるか、どの素材を次に作るかは、人が決める部分として残ります。
広告代理店・運用コンサル・SNS運用代行との違い
違いは、管理画面を触るのが誰かと、止めたときに何が残るかです。呼び名は4つありますが、引き受ける範囲が重なりつつずれています。
| 呼び方 | 引き受ける範囲 | 管理画面を触る人 |
|---|---|---|
| 広告運用代行 | 配信の設定と、日々の調整 | 代行する会社 |
| 広告代理店 | 媒体の手配から施策全体の窓口まで | 代理店の担当か、協力会社 |
| 運用コンサル | 設計と助言、レビュー | 自社の担当者 |
| SNSアカウント運用代行 | 自社アカウントの投稿の企画と制作 | 広告の管理画面は使わない |
広告運用代行とアカウント運用代行の差が出るのは、止めたときです。広告は配信を止めた日に露出が消えます。アカウントは投稿とフォロワーが残ります。
広告運用代行に任せられる業務と任せ方
任せられるのは、配信に関わる手を動かす作業のほぼ全部です。一方で、何を売るかと、公開してよいかの判断は社内に残ります。任せ方は3つに分かれるため、全部を出すか一部だけ出すかを選べます。
任せられる5つの工程
任せられる業務は、5つの工程に分かれます。配信そのものに関わる工程は手数料に含まれることが多く、制作と初期の設定は別に費用が立ちます。
| 工程 | 中身 | 手数料への入り方 |
|---|---|---|
| 1. 目標とターゲットの設計 | 何を増やすかを決め、配信の対象と予算の枠を組む | 含まれることが多い |
| 2. アカウントと計測の設定 | 広告アカウントを開設し、成果を数えるタグを置く | 初期費用として別に立つことが多い |
| 3. クリエイティブの制作 | 広告文・バナー・動画を作る | 別料金になることが多い |
| 4. 配信と入札の調整 | 検索語・年齢・興味関心などの条件を設定し、素材を入稿し、予算と入札を動かす | 含まれることが多い |
| 5. レポートと改善提案 | 結果をまとめ、次に変える点を出す | 含まれることが多い |
広告を押した人が着くページの制作と改善は、この5つの外に置かれ、別見積になることが多い項目です。
3列目は会社ごとに違います。同じ金額の見積でも、制作が入っているかどうかで中身が変わります。
任せ方の3つの形
任せ方は3つあり、社内に残す作業の量で選びます。どれが正しいということはなく、社内に置ける人手と経験で決まります。
- 全部任せる:設計から制作、配信、レポートまでを外に出す。社内に残るのは情報提供と確認です
- 一部だけ任せる:制作だけ、あるいは配信の調整だけを出す。片方の経験が社内にある場合に噛み合います
- 内製化を手伝ってもらう:管理画面は社内で触り、設計と月1回のレビューを受ける。将来は自社で回す前提の形です
3を選ぶ場合は、契約の時点で「いつから自社が触るのか」を決めておきます。決めずに始めると、手伝う側も渡す準備を進められません。
依頼できる広告媒体の種類
依頼できる媒体は、検索・ディスプレイ・SNS・動画の4つに分かれます。どれを使うかは、広告で何を起こしたいかで決まります。
| 媒体の型 | 出る場所 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 検索連動型 | 検索結果の上 | すでに言葉で探している人に出したい |
| ディスプレイ | サイトやアプリの広告枠 | まだ知らない人に見つけてもらいたい |
| SNS | Instagram・TikTok・X・LINE などの画面 | 年齢や興味で配信先を絞りたい |
| 動画 | YouTube や SNS の動画の前後 | 動きと音で伝えたい |
多くの代行会社は複数の媒体を扱いますが、深く見られる媒体は会社ごとに偏ります。
社内でしか決められないこと
外に出しても、発注した側に残る作業があります。訴求の中身を決める材料は、商品を持っている側にしかないためです。
- 売るものについての情報:価格の条件、在庫や席数の制約、使ってはいけない言い方
- 強みの判断:他社と何が違うのか、どこを前に出すのか
- 公開前の確認:その言い方が自社の顧客にどう受け取られるかの判断
この3つが渡らないまま配信を始めると、直せる場所が金額と配信先だけになります。訴求そのものを変えられず、数字が悪くても打ち手が出てきません。自動化が進んでも、この部分は社内に残ります。
広告運用代行の費用
費用が毎月かかるのは、作業が毎月あるからです。目安は広告費の20%で、広告費とは別に手数料として請求されます。月額のほかに初期費用と制作費が立つことがあり、広告費そのものにも実務上の下限があります。
手数料の目安
手数料の目安は、広告費の20%です。広告費が増えれば手数料も増える形が最も一般的で、ほかに定額の形や成果1件あたりで払う形があります。
月額になる理由は、出す・見る・直すが毎月くり返されるためです。配信を始めた月だけ手を動かして終わる仕事ではありません。料金体系の違いと、預けた予算から引かれるのか別に加算されるのかで、支払総額は変わります。
月額のほかにかかる費用
毎月の手数料のほかに、立ち上げと制作の費用が別に発生することがあります。見積を比べる前に、次の3つがどう扱われているかを確かめてください。
- 初期費用:広告アカウントの開設と、計測の設定にかかる費用
- 制作費:バナーや動画を作る費用。月に何本まで作れるかの条件が付きます
- 着地ページの制作と改善:広告を押した人が着くページの費用。別見積になることが多い項目です
制作を含むかどうかで、毎月の総額は大きく動きます。見積を取るときは、制作の有無と本数の上限をそろえてから比べてください。
広告費の下限
広告費には、実務上の下限があります。最低手数料を設けている会社があり、広告費が小さいと実質の負担率が目安の20%を超えていくためです。
下限に届かない場合も、選べる形は残ります。制作だけを外に出して配信は社内で行う、出す時期を絞って1か月に集中させる、定額で受ける会社を探す、の3つです。
費用対効果の見方
費用対効果は、何を1件と数えるかを決めてから見ます。数える対象が決まっていないと、どの数字が良くて悪いのかを判断できません。
見る数字は2つで足ります。1件を取るのにいくらかかったか(獲得単価)と、広告費に対して売上が何倍になったか(費用対効果)です。資料請求も1件に数えるのか、既存の顧客からの問い合わせは除くのか。この定義を契約の前に文章で残しておくと、毎月のレポートが判断に使える形になります。
広告運用代行のメリットとデメリット
外に出すと、毎月手を動かす時間が社内から減ります。代わりに手数料が発生し、運用の中身は社内から見えにくくなります。自社で運用しても費用はゼロになりません。出ていく形が、現金ではなく担当者の時間に変わるだけです。
外に出したときのメリット
外に出して減るのは、毎月くり返す作業と、覚え直す時間です。
- 媒体の仕様を追いかけなくてよくなる:管理画面と設定の作法は変わり続けます。追いかける役目が社外に移ります
- 毎週の数字の確認と調整が手から離れる:止めるもの、伸ばすものの判断を、実績を見ている側が出します
- 複数の媒体を同時に出せる:社内に経験者が1人でも、媒体ごとに担当が付く体制なら並行できます
- 差し替えの提案が外から出てくる:反応が落ちた素材を、指示を待たずに止めて替える提案が上がります
4つ目は、素材を作る人が同じ会社にいる場合に速くなります。制作を別の会社に出していると、提案から納品までの日数がそのまま改善の遅れになります。
外に出したときのデメリット
外に出しても消えないものが3つあります。頼む前に、この3つを社内で引き受けられるかを見てください。
- 手数料が上乗せされる:広告費に加えて、毎月の手数料が発生します
- 運用の中身が見えにくくなる:何をどう変えたのかは、レポートと定例を通してしか分かりません
- 確認と情報提供の往復は残る:素材と文言の確認、商品についての情報提供、問い合わせが来た後の対応は社内の仕事です
成果が保証されるわけでもありません。外に出すと確実に変わるのは、手を動かす人が替わることと、改善の速さです。
自社で運用するときの費用
自社で運用すれば手数料は払いませんが、担当者の時間が毎月かかります。請求書は来ませんが、給与という形で費用は出ています。
| 見る点 | 自社で運用する | 外に出して運用する |
|---|---|---|
| 毎月出ていくもの | 担当者の時間 | 手数料 |
| 媒体の仕様変更 | 自分で追いかける | 追いかける役目が社外に移る |
| 素材の本数 | 社内で作れる本数が上限 | 契約した本数まで作れる |
| 担当者が抜けたとき | 配信が止まる | 会社の中で交代する |
| 社内に残るもの | 操作の経験と判断の型 | 受け取る契約にした分だけ残る |
社内でかかる時間は、おおむね3つに分かれます。
- 数字を見る時間:配信の結果を毎週確認し、止めるものと伸ばすものを決める
- 素材を作る時間:反応の落ちたバナーや動画を差し替える。撮影が要る場合はその手配も入る
- 覚え直す時間:前回の手順が今回そのまま使えないことがある
3つ目が見落とされやすい負担です。広告を出す頻度が年に数回だと、毎回ゼロから思い出すことになります。
ノウハウを社内に残す方法
社内に知見が残るかどうかは、頼むか頼まないかでは決まりません。何を受け取る契約にするかで決まります。分けるのは次の3点です。
- レポートに次の打ち手が書かれているか:何を変えるのか、なぜそう判断したのかが書かれていれば、判断の型が社内に残ります
- 定例で何を聞くか:「今月止めた素材はどれで、止めた理由は何ですか」を毎回聞きます
- 広告アカウントの名義:自社名義で開設して権限だけを渡すと、契約が終わっても配信の履歴が手元に残ります
名義は、契約前に確認する項目です。
頼む先4つの違い
4つの違いは、窓口の数・任せられる媒体の幅・費用のかかり方・担当者が抜けたときの代わりに出ます。
| 頼む先 | 窓口の数 | 任せられる媒体の幅 | 費用のかかり方 | 担当者が抜けたときの代わり |
|---|---|---|---|---|
| 社内で運用する | 0 | 社内の人が扱える媒体だけ | 担当者の時間 | いない。止まる |
| 総合広告代理店 | 1つ。制作や他の施策もまとまる | ネット広告以外も含めて広い | 広告費に応じた手数料が中心 | 社内で交代する体制がある |
| 運用専業の会社 | 1つ。媒体ごとに担当が付くこともある | 得意な媒体に寄る | 広告費に応じた手数料が中心 | 会社の規模による |
| フリーランス・業務委託 | 1人 | 本人が扱える媒体だけ | 定額または広告費に応じた形 | いない。探し直す |
費用の決め方そのものは、頼む先の型よりも契約の形で決まります。同じ型でも、制作を含むかどうかで月額は動きます。
総合広告代理店
総合広告代理店は、ネット広告だけでなく、交通広告・イベント・紙の媒体まで扱います。複数の施策を同じ時期に動かす場合、進行と請求が1本にまとまります。
代わりに、ネット広告の日々の調整は別の担当者や協力会社が行うことがあります。誰が管理画面を触るのかを、商談の段階で聞いてください。聞き方は「日々の入札と配信先の調整は、どなたが行いますか」で足ります。
運用専業の会社
運用専業の会社は、扱う媒体を絞る代わりに、設定の作法と素材の勘所が蓄積されます。自社が出す媒体が1つか2つに決まっているなら、この型が噛み合います。
ただし、その会社が得意な媒体と、自社が出したい媒体が一致しているかは別の話です。「その媒体で、当社と近い目的の案件はありますか」と聞いて確かめてください。
フリーランス・業務委託
フリーランスや業務委託は、会社に比べて条件の下限が低く、広告費が小さい段階でも受けてもらえます。1人で配信の調整を引き受ける形です。一方で、限界もそろって付いてきます。
- 扱える媒体は本人の経験の範囲に収まる
- 制作まで含めて頼むと、1人の作業量が上限になる
- 体調や他の案件の都合で止まったとき、代わりがいない
作業の範囲を配信の調整だけに絞り、素材は社内か別の先で用意する形にすると、1人に集まる負担が減ります。契約の前に、対応できる曜日と返答の目安を決めておいてください。
社内での運用
社内で回せるなら、手数料は発生しません。成立する条件は2つです。毎月の素材を作り続けられることと、数字を見て止める判断を下す人がいることです。この2つが欠けると、配信は続いても改善が止まります。
窓口が増えたときの変化
窓口が1つ増えると、承認のステップが増える代わりに、進行と請求が1本にまとまります。株式会社FIZは、広告代理店を通した案件と直接受けた案件の両方を担当してきました。代理店を通した例は3件です。日本タクシーの採用ダイレクトマーケティングは読売エージェンシー大阪を通した案件です。北海道庁のアウトバウンド促進プロモーションはHISを通しています。東京都中央区観光商業まつりのInstagram運用は読売ISを通した案件です。直接受けた例は大阪バス協会の2024年問題を伝えるプロモーションにあたります。
両側に立って見えたのは、次の3点です。
- 承認のステップが1つ増える:素材の差し替えを提案してから配信に載るまで、通る先が増えます
- 事情が伝わる速さが変わる:現場でしか分からない条件は、間に人が入ると届くまでに時間がかかります
- 進行と請求は1本にまとまる:複数の施策が同時に動く案件では、日程の調整が1か所で済みます
どちらが良いという話ではありません。関わる組織が多い施策なら、窓口をまとめる利点が上回ります。訴求の中身を詰めることが成果を分ける施策なら、間を減らすほうが噛み合います。自治体や公共団体の案件は、代理店を通す形になりやすくなります。
担当者の見極め方
成果を分けるのは、会社の規模ではなく、毎月管理画面を触る人です。同じ会社でも、担当者が替わると出てくる提案は変わります。
商談に出てくる人と、運用する人が同じとは限りません。「運用を担当するのはどなたで、何件を並行して持っていますか」と聞いてください。答えが出てこない場合は、契約後に担当を決める体制だということです。
広告運用代行が向いている会社と、まだ早い会社
向いていない会社があるのではありません。いま自社にあるものによって、取れる形が違うだけです。売るものと強みが決まっていれば運用まで出せます。素材と人手が足りないなら制作だけを出す形が残ります。何を強みと言うかが決まっていないなら、広告より先にそこを決めます。
向いている会社
運用まで外に出して成立するのは、次の3つがそろっている会社です。
- 売るものと強みが決まっている:何を、誰に、いくらで売るかが言葉になっている
- 広告を見た人が着く先がある:申し込みのページ、予約の画面、問い合わせの窓口のいずれかがある
- 確認を返す人がいる:素材と文言の確認を、決められた日数で返せる担当が社内にいる
数える対象が決まっていることも条件に入ります。株式会社FIZが担当したchocoZAPの会員獲得マーケティングでは、会員登録という数える対象が先に決まっていました。何が増えれば成功かが決まっていると、止める素材と伸ばす素材の判断も速くなります。採用を目的に広告を出す場合も、応募という数える対象が決まっていれば設計は組めます。
まだ早い会社
そろっていないものがある場合も、取れる形は必ず1つあります。状態と形は1対1で対応します。頼める会社と頼めない会社に分かれるのではありません。

売るものと強みが決まっていて、着く先も確認する人もいる場合は、運用まで外に出せます。
売るものは決まっているが、素材も人手も無い場合は、制作だけを外に出して運用は社内に置く形が取れます。止まる原因は操作の難しさではなく、素材が尽きることにあるためです。
何を強みと言うかがまだ決まっていない場合は、広告の前に売るものの整理から始めます。この状態で配信を始めても、直せるのは金額と配信先だけです。訴求を変えられないまま予算だけが減ります。
見送るという判断は失敗ではありません。
「成果が出ない」案件の共通点
成果が出ないと言われる案件は、多くが運用の巧拙ではなく、その手前で決まっています。
- 数える対象が決まっていない:何が増えれば成功なのかが決まらず、止める判断も下せません
- 素材が1本しかない:差し替えるものがなく、直せるのが金額と配信先だけになります
- 確認が返ってこない:素材は用意されているのに公開されず、古いものが配信され続けます
3つとも発注側で先に埋められます。契約してから埋めようとすると、最初の数か月がその作業で終わります。自社がどの状態にあるかを見てほしい場合は、お気軽にご相談ください。
依頼する前にそろえる4つ
見積を取る前に、自社でそろえておくものが4つあります。売るものと強みの1枚、広告を見た人が着く先と数え方、手持ちの素材、確認を返す担当と期限です。この4つが埋まっていると、各社の提案を同じ条件で比べられます。
① 売るものと強みの1枚
売るものの1枚は、次の4項目が埋まっていれば足ります。
- 売るものと、その価格の条件
- 誰に売るのか。年齢と、すでに自社を知っているかどうか
- 他社と違うと言えることを3つまで
- 使ってはいけない表現と、法令上の制約
最後の項目が抜けやすい箇所です。後から差し戻すと、素材を作り直すことになります。
② 広告を見た人が着く先と数え方
着く先は、申し込み・予約・問い合わせのいずれかのページに決めます。あわせて、何を数えるかも決めます。
数える仕組みの設定は代行会社に頼めますが、何を数えるかの決定は発注側の仕事です。ここが決まらないまま始めると、レポートの数字が並んでも判断できません。
③ 手持ちの写真・動画
いま手元に写真が何枚、動画が何本あるかを数えます。撮影した時期も確認してください。1年以上前のものは、季節や内容が今と合わないことがあります。
そのうえで、新しく撮れるかどうかを決めます。撮れるなら、いつ・誰が・どこで撮るのかまで決めておきます。撮れないなら、制作を依頼する範囲に入れます。
④ 確認を返す担当と期限
素材と文言の可否を返す担当は、1名に決めてください。合議にすると、確認が甘くなるうえに公開も遅れます。
返す期限も先に決めます。「受け取ってから3営業日以内に返す」のように、日数で決めるのが確実です。法務や監修の確認が必要な業種では、その工程の日数も足してください。
会社の選び方と運用開始までの流れ
会社は、比べる前に型を決めてから集めます。型を決めずに候補を並べると、比べられない相手が混ざります。集めた候補は5つの項目で見て、3社程度に絞ってから問い合わせます。
候補の会社の集め方
候補は、出したい媒体を決めてから集めます。順番を逆にすると、社名は増えるのに決め手が増えません。
- 出す媒体を決める:検索・ディスプレイ・SNS・動画のどれを中心にするかを先に決めます
- その媒体を扱う会社を集める:媒体ごとの解説記事、媒体の公式パートナーの一覧、同業種の事例から集めます
- 自社の条件で絞る:広告費の規模、制作を含めるかどうか、業種の近さの3つで絞ります
この3つを通すと、候補はおおむね3社前後に落ちます。
会社を選ぶときに見る5つ
見るのは、掲げている言葉ではなく、聞いたときの答え方です。次の5つを商談で確かめてください。
- 自社と近い商材の実績があるか:業種より、価格帯と検討にかかる期間が近い案件を持っているかを見ます
- 任せる業務の範囲が見積に書かれているか:制作が含まれるか、含む場合は月に何本かまで書かれているかを見ます
- レポートに次の打ち手が書かれているか:見本を見せてもらい、改善提案の欄があるかを確かめます
- 毎月手を動かす担当が出てくるか:定例の頻度と、担当者が並行して持つ件数を聞きます
- 制作と運用が同じ会社か:同じ会社なら、反応の落ちた素材の差し替えを、その場で提案できます
5つ目は、改善の速さに直結します。制作を別の会社に出している場合は、提案から納品までの日数を聞いてください。
問い合わせから運用開始までの流れ
問い合わせてから配信が始まるまでは、4つのステップを通ります。
- 問い合わせと条件の共有:広告費の枠、目的、出したい時期、手持ちの素材を伝えます
- 提案と見積:配信の設計、任せる業務の範囲、金額が出てきます
- 契約:期間、解約の申し出の期限、広告アカウントの名義を決めます
- 初期設定と配信開始:アカウントの開設、計測の設定、素材の入稿が済むと配信が始まります
素材を新しく撮る場合は、撮影と編集の日数も足してください。出したい時期が決まっているなら、そこから逆算して問い合わせます。
広告運用代行に関するよくある質問
運用型広告と枠を買い切る広告は、どちらを選べばよいですか
反応を見て直したいなら運用型広告です。駅や施設の中など、特定の場所にいる人に確実に見せたいなら、枠を買い切る形が合います。両方を同じ時期に出す場合は、数え方を分けて見てください。
社内に広告の経験者が1人もいなくても頼めますか
頼めます。必要なのは運用の経験ではなく、売るものについて答えられることと、確認を返せることです。管理画面の操作を覚える必要はありません。ただし、レポートを読んで質問する役は社内に置いてください。
契約したあと、社内の担当者にはどのくらい時間が取られますか
ゼロにはなりません。量を決めるのは、確認を返す速さと、素材を社内で用意するかどうかの2つです。制作まで任せ、確認の期限を日数で決めておくと、社内に残るのは確認と問い合わせの対応だけになります。
広告運用代行とSNSアカウントの運用代行は、どちらを先に始めればよいですか
決まった期日までに人を集めたいなら、広告が先です。出した日から配信が始まるためです。中長期で指名で探される状態を作りたいなら、アカウント運用を先に置きます。両方を同時に始める場合は、広告で反応の良かった言い方を投稿に回す形にすると、素材の本数を減らせます。
まとめ
広告運用代行とは、運用型広告を出したあとも、数字を見て毎月直し続ける仕事です。頼むかどうかは向き不向きではなく、いま自社にそろっているもので決まります。候補の会社に連絡する前に、広告を見た人にしてほしい行動を社内で1つに決めておいてください。
株式会社FIZは、Z世代に届くSNSマーケティング・インフルエンサー施策に強みを持つ会社です。広告ではMeta広告の運用を担当しています。運用する人と素材を作る人が同じチームにいるため、反応の落ちた素材の差し替えをその場で提案できます。広告代理店を通した案件と、事業会社から直接受けた案件の両方を担当してきました。「自社は今それを外に出す段階か」からご相談したい方は、ご連絡ください。
