インフルエンサーマーケティング 19 min read

インフルエンサーマーケティングとは?種類・メリット・始め方

インフルエンサーマーケティングとは?種類・メリット・始め方

インフルエンサーに商品を紹介してもらう方法があることは知っている。それでも、広告と何が違うのか、自社の商品でも使えるのか、頼んで炎上しないかまでは分からない。社内で説明する前に、まず言葉の意味から整理しておきたいと考えていませんか。

この記事でわかること

  • インフルエンサーマーケティングの意味と、広告との違い
  • 発信者の種類と、頼み方の形
  • メリットと、ステマ規制を含む注意点
  • 始め方の4ステップと、依頼先・費用の決まり方

インフルエンサーマーケティングとは

インフルエンサーマーケティングとは、発信者(インフルエンサー)に、自分のSNSで商品を紹介してもらう施策です。SNSを使って集客や販売につなげる、SNSマーケティングの手法の1つにあたります。

一言で言うと、「企業の言葉ではなく、発信者の言葉で、発信者のフォロワーに届ける方法」です。

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インフルエンサーとは

インフルエンサーとは、SNSで多くの人に見られ、見る人の買い物や行き先の選び方に影響を与える発信者のことです。Instagram・TikTok・YouTube・Xなどで、自分のアカウントから写真や動画、文章を発信しています。

芸能人やタレントに限りません。料理・旅行・美容・子育てなど、決まったジャンルで発信を続け、フォロワーから信頼されている一般の発信者も含みます。

広告・SNS運用との違い

インフルエンサーマーケティングは、発信者のアカウントから、発信者の言葉で、その人のフォロワーに届きます。企業が出す広告や、企業の公式アカウントの運用とは、この3点が違います。

違い 広告 自社アカウントの運用 インフルエンサーマーケティング
どのアカウントから出るか 企業(SNSの広告の枠) 企業の公式アカウント 発信者のアカウント
誰の言葉か 企業 企業 発信者
誰に届くか 企業が条件を決めた相手 公式アカウントのフォロワー 発信者のフォロワー

発信者の投稿として届くとはいえ、景品表示法のステマ規制では、企業が頼んだ投稿も広告に入ります。見る人に広告だと分かる表示が要ります。何を書けばよいかは、このあとの「ステマ規制とPR表示」で説明します。

市場の広がり

国内のインフルエンサーマーケティングの市場は、2024年に860億円、前年比116%になる見通しです。2029年には、2024年の約1.9倍にあたる1,645億円に広がると予測されています。株式会社サイバー・バズが2024年11月に発表した調査です。

出どころ:サイバー・バズ「2024年のソーシャルメディアマーケティング市場」の発表

この調査の市場は、PRと先に示したうえでの発信に、企業が払う費用の1年間の合計です。

発信の場になるSNSは、若い世代ほど多くの人が使っています。Instagramの利用率は20代で82.6%、TikTokの利用率は10代で67.9%です。総務省情報通信政策研究所が13歳〜79歳の1,800人に聞いた調査の値です。調査の名前は「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」です。

インフルエンサーマーケティングの種類

インフルエンサーマーケティングの種類は、「発信者の規模」と「頼み方の形」の2つで分かれます。規模はフォロワー数で、頼み方は発信者に何をしてもらうかで分けます。

フォロワー数による区分

発信者の規模は、フォロワー数で分けます。区分の名前と人数の線は、会社や記事によって違います。ここでは、ソーシャルワイヤーのFind Modelが料金ページで使っているInstagramの区分を例にします。

区分 フォロワー数
ナノ 1万〜3万人
マイクロ 3万〜10万人
パワー 10万人以上
タレント 10万〜数百万人

2026年10月24日時点のFind Modelの料金ページの区分です。

起用する人数と規模の組み合わせは、施策によって大きく違います。株式会社FIZが支援した施策では、次の3つの形がありました。

SNSごとの特徴

インフルエンサー施策で使うSNSは、主にInstagram・TikTok・YouTube・Xの4つです。届けたい年代の利用率と、発信の形で選びます。

SNS 10代の利用率 20代の利用率 発信の形
Instagram 69.3% 82.6% 写真・リール(短い動画)・ストーリーズ
TikTok 67.9% 61.5% 短い動画
YouTube 95.0% 96.3% 長い動画と、短い動画(ショート)
X(旧Twitter) 56.4% 73.4% 文章と画像。リポストで広がる

利用率は総務省情報通信政策研究所「令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の値です。

Facebookは、10代で14.3%、20代で23.4%と、若い世代の利用率が低いSNSです。年代別で最も高いのは40代の38.9%です。

投稿の依頼

投稿の依頼は、発信者が自分のアカウントで、商品やサービスの紹介、使ってみた感想を写真や動画で出す形です。フォローやいいねを条件に、発信者のアカウントで商品が当たるプレゼント企画を合わせることもあります。

ホテルニューオータニ大阪のナイトプールイベント2022では、ジュニアスイートの宿泊プランを発信者に紹介してもらいました。

ギフティング(商品の提供)

ギフティングは、発信者に商品を送り、使った感想を発信してもらう形です。報酬を払わず、商品の提供だけで頼むこともあります。

お金を払っていなくても、広告の扱いになることがあります。消費者庁の基準では、投稿を頼んで商品を無料で送り、企業の方針に沿った投稿になれば、企業の表示(広告)です。くわしくは「ステマ規制とPR表示」で説明します。

現地への招待

現地への招待は、店舗・施設・イベント・旅先に発信者を招き、その場での体験を発信してもらう形です。ホテル・観光地・レジャー施設のように、来てもらうことが目的の業種で使われます。

ROUND1 スポッチャの新サービスのプロモーションでは、夏休みに向けて新しく入るウォーターガンエリアを、発信者に体験して発信してもらいました。スポッチャがインフルエンサーを起用するのは、このときが初めてでした。TikTokとInstagramの2つの媒体で、合わせて5.4万回再生されています。

ライブ配信

ライブ配信は、発信者が配信の中で商品を使ったり紹介したりする形です。見ている人のコメントに、その場で答えられます。Instagram・TikTok・YouTubeには、それぞれライブ配信の機能があります。

配信の中で商品の使い方を見せ、「どのくらいの大きさか」「どの色がいいか」といった質問に答えながら紹介できます。

商品の共同開発・アンバサダー

発信者と商品を一緒に作ったり、商品の内容を監修してもらったりする形もあります。発信者の名前を商品に付ければ、その発信者のフォロワーに知ってもらうきっかけになります。

アンバサダーは、一定の期間、続けて商品やブランドを紹介してもらう契約です。1回の投稿で終わらず、ブランドの顔として何度も登場してもらいます。

企業の公式アカウントの投稿や動画に、発信者に出演してもらう形もあります。この場合、投稿が出るのは企業のアカウントです。発信者のフォロワーに届けるには、発信者の側でも告知してもらう必要があります。

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インフルエンサーマーケティングのメリット

インフルエンサーマーケティングのメリットは、次の5つです。

  • 届ける相手を選べる
  • 発信者の言葉で伝わる
  • 使う場面が見える
  • 反応を数字で測れる
  • 投稿を二次利用できる

届ける相手の絞り込み

発信者を選ぶことで、届ける相手を選べます。発信者ごとに、発信のジャンルと、フォロワーの年代・地域が違うためです。

UNIQLO SHINSAIBASHIの旗艦店オープンでは、海外への発信のために、アジア圏の国に届く発信者を選びました。

見た人がシェアやリポストをすると、その人のフォロワーにも投稿が届きます。発信者のフォロワーの外にまで届くことがあるのは、この広がりがあるためです。

発信者の言葉と見せ方

商品の良さが、企業の言葉ではなく、発信者自身の言葉と見せ方で伝わります。フォロワーは、ふだんから見ている発信者の投稿の1つとして目にします。

同じ商品でも、紹介の切り口は発信者ごとに変わり、それぞれのフォロワーに合う伝え方になります。

使う場面の伝わりやすさ

発信者が実際に使っている様子や、泊まっている様子が写真や動画で見えるので、見る人が「自分ならこう使う」と思い描けます。

ネットで売る商品にも、ホテル・施設・店舗に来てもらう施策にも使えます。来てもらう施策では、館内の様子や写真を撮れる場所など、行く前に知りたいことを見せられます。

数字での効果測定

投稿の反応は、数字で残ります。再生回数、インプレッション(投稿が表示された回数)、リーチ(投稿を見た人の数)、いいねやコメントの数です。

投稿にクーポンコードを付けると、投稿を見て申込みや予約をした人の数まで数えられます。

投稿の二次利用

発信者の承諾を得れば、その投稿を自社のアカウントや広告で使えます。これを二次利用と言います。

投稿を広告として配信すれば、発信者のフォロワー以外にも届きます。二次利用には、報酬とは別の費用がかかる場合があります。費用の決まり方は「依頼先と費用」で説明します。

デメリットと注意点

インフルエンサーマーケティングで気をつける点は5つです。発信者選びの手間、投稿内容のすり合わせ、炎上のおそれ、成果の見えにくさ、ステマ規制です。

発信者選びの手間

発信者は、フォロワー数だけでは選べません。発信のジャンル、フォロワーの年代や地域、過去の投稿の中身を1人ずつ確かめる手間がかかります。

数十人に頼む施策では、この確認が人数分になります。選ぶときに見る点は、「インフルエンサーマーケティングの始め方」のステップ2にまとめています。

投稿内容のすり合わせ

投稿の伝え方は、発信者に任せる部分が大きくなります。企業が書いた文をそのまま載せてもらう形にはならず、表現は発信者のものです。

企業の思いどおりにならない分、すり合わせと、投稿前の内容の確認が要ります。伝えてほしい点と守ってほしい点を、頼む時点で文書にして渡しておくと、確認の段階でのやり直しが減ります。

炎上のおそれ

炎上の入口は2つあります。1つは、広告なのに広告だと分からない投稿が、ステルスマーケティング(ステマ)だと受け取られることです。もう1つは、発信者自身の過去の発言や、施策の前後の言動が問題になり、起用した企業にも批判が向くことです。

1つ目は、広告と分かる表示を依頼の条件に入れて防ぎます。2つ目は、起用の前に、発信者の過去の投稿とコメント欄を確かめて備えます。

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成果の見えにくさ

何を数えるかを決めずに始めると、投稿が出ても、それが成果なのかを判断できません。再生回数が多くても、目的が予約なら、予約が増えたかどうかで見る必要があります。

始める前に、目的と、結果を見るための数字を1つずつ決めます。決め方は「インフルエンサーマーケティングの始め方」のステップ1にまとめています。

ステマ規制とPR表示

2023年10月1日から、広告であることを隠した表示(ステルスマーケティング)は、景品表示法の違反になりました。規制を受けるのは広告主の企業で、依頼を受けた発信者は規制の対象ではありません。企業が発信者に依頼や指示をした投稿も広告に入り、SNSの投稿も対象です。

出どころ:消費者庁のページ「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」

何を書けば広告と分かる表示になるかは、消費者庁の運用基準に例があります。2023年3月28日に消費者庁長官が決めた基準です。

出どころ:消費者庁「『一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示』の運用基準」

分かる表示の例 分かりにくい表示の例
「広告」「宣伝」「プロモーション」「PR」と書く 見る人が気づきにくい末尾の位置に書く
「A社から商品の提供を受けて投稿している」と文で書く 周りの文字より小さく書く
大量のハッシュタグの中に埋もれさせる
動画で、気づけないほど短い時間だけ出す。長い動画で途中や最後にだけ出す

「広告」「PR」などの言葉を使っていても、投稿全体から広告だと分かりにくければ、分かる表示と認められない場合があります。

商品を無料で送る場合の扱いも、運用基準に例があります。

  • 企業の表示になる例:投稿を頼み、商品を無料で送り、受け取った発信者が企業の方針や内容に沿った投稿をした場合
  • 企業の表示にならない例:商品を無料で送って投稿を頼んだが、発信者が自分の意思で決めた内容を投稿した場合

企業が投稿の見返りに渡すものは、お金に限りません。商品などの物や、イベントへの招待などのもてなしも含まれます。

発信者に頼むときは、PR表示の文言と、投稿のどこに入れるかを依頼の条件に入れてください。

インフルエンサーマーケティングの始め方(4ステップ)

インフルエンサーマーケティングは、次の4つのステップで始めます。最初に決めた数字で、最後に結果を見るのが要点です。

始める前に「数える数字」を決める

  1. 目的と数える数字を決める
  2. 発信者を選ぶ
  3. 投稿内容を共有して確かめる
  4. 結果を測って次に生かす

予算は「依頼先と費用」で、使うSNSは「SNSごとの特徴」で説明しています。

目的と数える数字

最初に、施策の目的を1つに絞り、結果を見る数字を決めます。目的によって、数える数字が変わります。

目的 数える数字
知ってもらう インプレッション・リーチ・再生回数
来てもらう・予約してもらう 予約数・クーポンコードの利用数
買ってもらう 購入数・申込み数

知ってもらう段階と、買ってもらう段階では、頼み方も変わります。知ってもらう段階では、届く人数を増やすことを優先し、起用する人数や投稿の広告配信を考えます。買ってもらう段階では、投稿を見た人が迷わず申し込めるように、予約ページやクーポンコードを投稿に付けます。

発信者選び

発信者は、フォロワー数より、商品やブランドとの相性で選びます。選ぶときに見る点は次の4つです。

  • 発信のジャンルが、商品やブランドに合っているか
  • フォロワーの年代・地域が、届けたい相手と合っているか
  • コメント欄に、投稿の中身に触れたコメントがあるか。フォロワー数に比べて反応が極端に少なくないか
  • 過去のPR投稿で、広告と分かる表示をしているか

中身の無いコメントばかり、またはフォロワー数のわりに反応が少ない場合があります。そのときは、実際には見ていないアカウントがフォロワーに多く含まれていることがあります。

投稿内容の共有と確認

頼む時点で、伝えてほしい点と守ってほしい点を文書で渡し、伝え方は発信者に任せます。渡しておく項目は次のとおりです。

  • 伝えてほしいこと(商品やプランの特徴、期間、料金)
  • 守ってほしいこと(PR表示の文言と入れる位置、商品について言いすぎてはいけない表現、写してはいけない場所)
  • 投稿する日と、投稿するSNS
  • 投稿を見た人の行き先(予約ページ・公式アカウント・クーポンコード)

投稿の前に、企業が内容を確かめる段取りも決めておきます。

投稿を見た人は、企業の公式アカウントを訪れることもあります。プロフィールや最近の投稿を整えておくと、興味を持った人を逃しません。

結果の測定と次の施策

投稿が出たら、ステップ1で決めた数字で結果を見ます。1回で終わらせず、反応の良かった発信者や投稿の形を、次の施策に生かします。

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依頼先と費用

依頼先は3つあり、どこに頼むかで、払うものと自社に残る作業が変わります。費用の大きさを分けるのは、起用する人数と発信者の規模です。

依頼先の3つ

依頼先は、発信者や所属事務所への直接の依頼、プラットフォーム(発信者と企業をつなぐ仲介サービス)、支援会社の3つです。費用が少ない依頼先ほど、人探しや確認の作業が自社に残ります。

依頼先 払うもの 自社に残る作業 向いている会社
発信者・所属事務所に直接 報酬+実費 人探し・交渉・契約・投稿の確認・効果測定のすべて 社内で人選と進行を回せる
プラットフォーム(仲介サービス) 報酬+実費+利用料 人選・投稿の確認・効果測定 少ない人数なら社内で回せる
支援会社 報酬+実費+ディレクション費など 目的の共有と確認が中心 目的の設計から効果測定まで任せたい

ディレクション費は、企画・人選・交渉・投稿前の確認・進行を取りまとめる人にかかる費用です。

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費用の決まり方

インフルエンサーマーケティングの費用は、起用する人数と、発信者の規模で決まります。依頼の費用を、フォロワー数に単価を掛けて決める方式があります。

一例として、Find ModelでInstagramのナノ(1万〜3万人)に頼む単価は、1フォロワー1.50円からです。Find Modelに払う金額で、税抜・2026年10月24日時点の値です。フォロワー2万人の発信者なら、2万人×1.50円で3万円(税抜)からの計算になります。

発信者への払い方には、投稿ごとの固定報酬、成果に応じて払う成果報酬、報酬の代わりに商品を提供するギフティングがあります。支援会社やプラットフォームには、月額で払う形もあります。報酬のほかに、商品代・送料・交通費などの実費や、投稿を広告に使うための二次利用の費用がかかる場合があります。

株式会社FIZの料金の目安は30万円からで、発信者の人数や規模に合わせて見積もります。1回だけの依頼も受けています。

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まとめ

インフルエンサーマーケティングは、SNSで発信している人の言葉で、その人のフォロワーに商品やサービスを届ける施策です。始めるなら、目的と数える数字を先に決め、企業が頼む投稿には広告と分かる表示を入れることを依頼の条件にしてください。

株式会社FIZは、Z世代に届くSNSマーケティング・インフルエンサー施策に強みを持つ会社です。インフルエンサーマーケティングでは、目的の設計から発信者選び、投稿前の確認、投稿の広告配信、効果測定までを受け持ちます。

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