不動産のSNS活用は、賃貸・売買・注文住宅で必要な設計が変わります。賃貸は物件の数と回転で見せ、売買は担当者への信頼を積みます。注文住宅は、暮らしの世界観に共感してもらう形になります。同じInstagramを使っても、投稿の型も測る指標も別になります。フォロワーが増えても内見や来場が増えないという声は多く聞かれます。原因は投稿の中身ではなく、投稿から反響までの導線が引かれていないことにあります。この記事ではまず、商材3種類の目的・媒体・投稿の型を整理します。そのうえで、投稿から内見・来場までをつなぐ導線の作り方を示します。さらに不動産広告の表示ルールと、若い層に届ける考え方をまとめます。株式会社FIZは、三井不動産の複合施設sequenceでイベントとインフルエンサー施策を担当しました。読み終える頃には、自社の商材に合う型が決まり、何を投稿して何を数えるかを社内に説明できるようになります。
不動産のSNSマーケティングは商材で設計が変わる
不動産のSNSマーケティングは、扱う商材によって設計が変わります。賃貸・売買・新築注文住宅では、検討期間も判断材料も違います。まず商材ごとに、目的・媒体・投稿の型・測る指標を決めてください。
賃貸——物件の数と回転で見せる
賃貸で狙うのは、空室を埋めるまでの短い導線です。入居検討の期間は数週間から2か月ほどで、比較の軸は家賃・設備・立地に絞られます。つまり悩ませる情報ではなく、見て決められる情報を出すことになります。
向いているのは、1物件1投稿の形で室内を通して見せる短い動画です。玄関から入って各部屋を回り、水回りまで映して終わる構成が基本になります。撮影は内見に同行したときにまとめて済ませると、別に時間を取らずに回せます。
数えるのは保存数とDMの件数です。賃貸ではフォロワー数が指標になりません。商圏が限られるため、遠方のフォロワーが増えても成約には近づかないからです。
注意点が1つあります。回転が早いので、成約済みの物件の投稿を残したままにしないことです。これは後述するおとり広告の予防にも直結します。投稿を下げる担当者と手順は、始める前に決めてください。
売買——担当者への信頼を積む
売買は検討期間が長く、物件を選ぶ前に相談相手を選ぶ段階があります。購入を検討する人は、数か月から数年かけて情報を集めます。この期間に思い出してもらえる状態を作るのが、売買での目的です。
そのため投稿の主役は物件ではなく、担当者が持っている判断材料になります。住宅ローンの考え方、エリアごとの相場の動き、内見で見落としやすい箇所などです。顔と名前を出して話す形にすると、指名で相談が来るようになります。
媒体はYouTubeとInstagramが軸になります。長めの解説はYouTube、短い切り出しはInstagramのリールに置く形です。数えるのは社名や担当者名での指名検索と、プロフィールから自社サイトへの遷移数です。
新築・注文住宅——暮らしの世界観に共感してもらう
注文住宅で決め手になるのは価格や仕様より前に、そこでの暮らしが想像できるかどうかです。判断は家族で行われ、共感が起点になります。
投稿の型は施工事例と、住み始めたあとの暮らしの写真です。間取り図だけでなく、朝の光が入る時間帯の写真や、収納の使い方まで見せます。Instagramの保存機能は、家づくりのアイデア集として使われます。保存されることが、比較検討の土俵に残ることそのものになります。
数えるのは資料請求と完成見学会の予約数です。見学会は日程が決まっているため、投稿から申し込みまでの反応を短期間で確かめられます。
商材別の対応表(目的・媒体・投稿の型・測る指標)
3つの商材を並べると、設計の違いがはっきりします。
| 商材 | 目的 | 主な媒体 | 投稿の型 | 測る指標 |
|---|---|---|---|---|
| 賃貸 | 空室を埋める | Instagram(リール) | 1物件1投稿の室内動画 | 保存数・DM件数 |
| 売買 | 相談相手として選ばれる | YouTube・Instagram | 担当者が顔を出す解説 | 指名検索・サイト遷移数 |
| 新築・注文住宅 | 暮らしに共感してもらう | 施工事例と暮らしの写真 | 資料請求・見学会予約 |
自社が複数の商材を扱っている場合、1つのアカウントに混ぜないでください。賃貸を探す人と注文住宅を検討する人では、見たい情報が重なりません。どちらかに寄せるか、アカウントを分けるかの判断が先に必要です。
なお商業施設やホテルの集客は、物件を売る・貸す設計とは別物になります。施設に足を運んでもらうまでの導線を組むため、投稿の型も測る指標も変わります。宿泊や施設への集客を扱うならホテル・観光施設の集客の記事をご覧ください。
SNSマーケティング全体の手法の整理はSNSマーケティングの基本記事にまとめています。
フォロワーではなく反響を数える——投稿から内見までの導線
フォロワーが増えても内見や来場が増えないのは、投稿と問い合わせの間に何も置いていないためです。見た人が次に何をすればよいかを、投稿とプロフィールの両方に用意します。そのうえで、反響がどこから来たのかを見分けられる状態にしておきます。
プロフィールと固定投稿で「次の一歩」を用意する
投稿を見て気になった人は、まずプロフィールに来ます。ここで行き先が用意されていないと、そのまま離れます。プロフィールに置くのは次の3つです。
- 商圏と扱う商材(「◯◯市の賃貸専門」など、1行で分かる形)
- 行き先が1つに絞られたリンク(物件一覧か来店予約のどちらか)
- 固定投稿またはハイライト(空室一覧・来店の流れ・よくある質問)
リンクを複数並べると、どこを押せばよいか分からなくなります。最も取りたい行動を1つ決めて、それを先頭に置いてください。
問い合わせの受け口をどこに置くか(DM・LINE・フォーム)
受け口の置き場所で、来る件数と対応の負担が変わります。3つの違いを整理します。
| 受け口 | 向いている場面 | 注意すること |
|---|---|---|
| DM | 賃貸。1件あたりの質問が短い | 担当者が不在だと返信が遅れる。営業時間を明記する |
| LINE | 売買・注文住宅。やり取りが続く | 友だち追加の一手間が入る。追加する理由を書く |
| フォーム | 資料請求・見学会予約 | 項目が多いと離脱する。まず3項目まで |
賃貸はDM、検討が長い商材はLINE、日程が絡むものはフォームが基本の組み合わせです。
反響の出どころを見分ける方法
SNS経由の反響は、放っておくと「どこから来たか分からない問い合わせ」に混ざります。出どころを分けるには、次の3つを用意します。
- SNS専用の受け口を作る(SNSからだけ通すフォームかLINEアカウント)
- プロフィールのリンクに計測用のパラメータを付ける
- 来店と内見の受付で「どこで見たか」を1問だけ聞く
3つ目は仕組みがなくてもすぐ始められます。聞き取った内容を週単位で数えるだけで、SNSから来た件数が分かります。
数えるべき3つの数字(保存・プロフィール閲覧・問い合わせ)
追う数字は3つに絞ります。保存数、プロフィールの閲覧数、問い合わせ件数です。この3つは順番につながっているため、どこで止まっているかが分かります。

たとえば1か月で保存100件・プロフィール閲覧40件・問い合わせ2件だったとします。保存からプロフィールへ進んだのが4割、そこから問い合わせに至ったのが5%です。この数字の読み方は次の3通りです。
- 保存は多いがプロフィール閲覧が少ない → 投稿の中に次の一歩が書かれていない
- プロフィール閲覧は多いが問い合わせが少ない → プロフィールの受け口が弱い
- 保存そのものが少ない → 投稿の型か対象エリアが合っていない
いいね数を追うのはやめてください。いいねは通りすぎた人も押しますが、保存は後で見返す人しか押しません。賃貸や注文住宅のように比較して決める商材では、保存のほうが検討の実態に近い数字です。
SNSでも不動産広告の表示ルールは同じ
不動産の広告には、宅地建物取引業法と業界の公正競争規約による表示のルールがあります。媒体がSNSに変わっても、このルールが別枠になるわけではありません。投稿を作る前に、何を書かなければならないかを確認してください。
投稿に必要な表示(取引態様・所在・賃料などの基本事項)
不動産公正取引協議会連合会の「不動産の表示に関する公正競争規約」を見てください。同規約第4条は、対象となる「表示」に「インターネットによる広告表示」を含めています。顧客を誘引する手段として、物件の内容や取引条件について行う広告表示が対象です。物件を特定できるSNS投稿も、この「表示」に当たる前提で設計するほうが安全です。線引きは投稿の内容によって変わるため、実施前に自社の法務や専門家へ確認してください。
必要な表示事項は、同規約第8条に定められています。挙げられているのは次の4分類です。
- 広告主に関する事項
- 物件の所在地、規模、形質その他の内容に関する事項
- 物件の価格その他の取引条件に関する事項
- 物件の交通その他の利便及び環境に関する事項
物件の種別ごとの一覧は、別表1から別表10に分かれています。分譲宅地・新築分譲住宅・中古賃貸マンションなど、種別ごとに必要な項目が違います。同規約は2022年9月1日付で改正されています。自社が扱う種別の別表を手元に印刷しておくと、確認が早くなります。
インターネット広告には、もう1つ必要な表示事項があります。「情報登録日又は直前の更新日及び次回の更新予定日」です。連合会のおとり広告ガイドラインは、この事項を広告の上部など見やすい位置に書くよう求めています。
取引態様の明示は、宅地建物取引業法第34条に定められています。取引態様とは、自社が売主なのか、代理なのか、媒介なのかという立場のことです。国土交通省の監督処分の基準でも、第34条違反は処分の対象に挙げられています。
- 宅地建物取引業法:e-Gov法令検索
- 監督処分の基準(国土交通省):宅地建物取引業者の違反行為に対する監督処分の基準
- 公正競争規約(不動産公正取引協議会連合会):公正競争規約の紹介
- おとり広告ガイドライン(同連合会・2019年11月1日):「おとり広告」の規制概要及びインターネット広告の留意事項
誇大・おとりと受け取られる表現を避ける
宅地建物取引業法第32条は誇大広告等を禁じています。国土交通省の監督処分の基準でも、第32条違反は処分の対象として扱われています。
SNSに特有の論点が1つあります。投稿は消さない限り残り続けるという点です。国土交通省は2023年1月の通知で、次の行為をおとり広告に当たるとしています。成約済みの物件を速やかに削除せず、インターネット広告等に掲載し続けることです。通知の全文はいわゆる「おとり広告」等の禁止の徹底についてにあります。
連合会のおとり広告ガイドラインは、更新の期間を最長でも2週間とするよう求めています。その期間内に成約が判明した物件は、期間が来る前でも速やかに削除するという運用です。SNSの投稿にも、同じ基準で取り下げの手順を作ってください。
- 成約が決まった時点で、その物件の投稿を下げるか成約済みと明記する
- 家賃や価格を変更したら、過去の投稿の数字も確認する
- 投稿の見直しは、最長でも2週間に1回の周期で回す
表現の面では、根拠を示せない最上級の言い方を避けます。「地域最安」「一番人気」といった言葉は、比較の根拠を示せないなら書かないほうが安全です。
社内で投稿前に確認する体制の作り方
確認の体制は、人を増やさずに作れます。決めるのは役割と順番の2つだけです。

- 作る人(撮影と原稿。営業担当でよい)
- 確認する人(表示事項と表現を見る。宅地建物取引士の資格保有者を通す)
- 下げる人(成約時に投稿を取り下げる。契約手続きの担当者に紐づける)
投稿の予定は1週間前までに確定させ、確認は週1回まとめて行います。都度確認にすると、忙しい時期に確認を飛ばす運用が生まれます。
投稿の制作を外に出す場合も、この体制は残してください。表示規約第8条は、必要な表示事項を表示する義務を「事業者」に課しています。事業者とは、免許を受けて宅地建物取引業を営む者だと同規約第4条が定義しています。つまり投稿を外注先が作っても、表示の確認は自社側の仕事として残るとされています。責任の切り分けは契約の内容にもよるため、実施前に自社の法務や専門家へ確認してください。
若い世代に物件と街を知ってもらうには
若い層に届けるときは、物件の条件を並べるより先に、暮らしと街の魅力を伝える設計が向いています。条件で比較する段階の前に、住みたい場所として認識されているかどうかが分かれ目になります。媒体選びは、狙う年代の利用率から決めます。
若年層の住まい探しはSNSが起点になりつつある
媒体の利用率は、公表されている調査で確かめられます。総務省情報通信政策研究所の令和7年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書が最新版です。2025年12月に13〜79歳の男女1,800人を調べ、2026年6月に公表されたものです。20代のInstagram利用率は82.6%、TikTokは61.5%です。60代ではInstagramが36.1%、TikTokが21.2%まで下がります。
つまり若い層は、すでにこれらの媒体の中にいます。ポータルサイトを開く前の段階で街や物件を知る接点が、SNS側に移ってきているということです。ただしSNSだけで契約まで決まるわけではありません。SNSは知ってもらう入口として設計し、条件の比較は自社サイトやポータルに渡すのが現実的です。
物件単体ではなく「暮らし」と「街」で見せる
若い層に向けた投稿では、間取りと家賃だけでは差が出ません。同じ条件の物件が並ぶと、比べる材料が価格しか残らないからです。伝える対象を物件から生活に広げてください。
具体的には次のような切り口です。
- 駅から部屋までの道を実際に歩いて撮る(夜の明るさや坂の有無が分かる)
- 徒歩5分以内の店をまとめる(スーパー・コインランドリー・深夜まで開いている店)
- その街に住むと平日の夜がどうなるかを1本の動画にする
この型は、物件が入れ替わっても投稿が使い続けられるという利点もあります。街の紹介は在庫に左右されません。
複合施設・街づくりのPR事例(三井不動産 sequence)
若い層に街と施設を知ってもらう設計の例として、FIZが担当した案件を1つ紹介します。三井不動産のホテルsequenceで、イベントの企画・実施・運営を担当しました。あわせてインフルエンサー施策とクリエイティブ制作も手がけています。詳細はsequenceのイベント企画・実施・運営の実績ページにあります。
この案件で設計したのは、施設の設備を説明することではありません。そこで過ごす時間が自分に合うと感じてもらう見せ方です。実際に人を呼ぶイベントと、それを外に伝えるインフルエンサーの投稿を同時に組みました。
ここは正直に書いておきます。FIZが持っているのは複合施設とイベントまわりの実績であり、賃貸や売買の仲介の集客代行の実績ではありません。この記事の賃貸・売買・注文住宅の設計は、一般的な判断基準として整理したものです。
インフルエンサーを起用する場合の考え方
インフルエンサーの起用が向くのは、街や施設の認知を短期間で広げたい場面です。反対に、特定の物件の空室を埋めたい場合は費用に対して合いません。商圏の外に届いた分が成果につながらないためです。
起用するときに確認することが2つあります。
- 広告であることを分かる形で表示する。消費者庁は2023年10月1日から、広告であることを隠した表示を景品表示法上の不当表示として規制しています(ステルスマーケティングに関するQ&A)
- 投稿内容の確認手順を契約に含める。物件情報に触れる投稿は、自社の表示確認を通す
依頼した投稿が自社の広告に当たるかどうかも、先に整理しておいてください。宅地建物取引業法第32条は、宅地建物取引業者が「その業務に関して広告をするとき」を対象としています。消費者庁のQ&Aも参考になります。第三者の投稿が事業者の表示に当たるかは、個別の事情から判断されるとされています。見られるのは、やり取りの内容や対価の有無などです。物件情報に触れる投稿は、自社の広告と同じ確認を通す前提で組んでおくと安全です。実施前に自社の法務や専門家へ確認してください。
起用先の選び方と費用の考え方はインフルエンサーマーケティング会社の選び方の記事にまとめています。
自社で運用するか、SNS運用代行に外注するか
自社運用と外注の分かれ目は、意欲ではなく撮影と編集の手が社内にあるかどうかです。物件の写真と動画が日常の業務の中で撮れる会社は自社運用が回ります。手が無い会社は、続かないまま止まります。
自社運用が向くケース(物件写真が手元にあり、担当者が発信できる)
自社運用が向くのは、次の条件が揃っている場合です。
- 内見や現地調査で、撮影のついでができる動線がある
- 話せる担当者がいて、顔を出すことに社内の合意がある
- 投稿を確認する宅地建物取引士が社内にいる
自社運用の利点は、物件が出たその日に投稿できる速さです。賃貸のように回転が早い商材では、この速さがそのまま強みになります。
SNS運用代行に任せるのが向くケース(撮影・編集の手が無い、複数店舗で品質を揃えたい)
外注が向くのは次の場合です。
- 撮影と編集の時間が業務の中に取れない
- 店舗が複数あり、投稿の見た目と言い方を揃えたい
- 売買や注文住宅で、世界観を作り込む必要がある
複数店舗の場合、各店に任せると品質と表示の正しさの両方がばらつきます。型と確認の手順を外部で作り、各店は素材の提供だけを担う形が現実的です。運用代行に任せられる範囲はSNS運用代行の解説記事で扱っています。
外注する場合に自社に残る仕事
外注しても、次の仕事は社内に残ります。ここを見落とすと、始めてから想定外の負担が出ます。
| 残る仕事 | 頻度の目安 |
|---|---|
| 物件情報と写真素材の提供 | 投稿のたび |
| 表示事項と表現の確認 | 週1回まとめて |
| 成約時の投稿の取り下げ指示 | 成約のたび |
| 問い合わせへの返信 | 毎営業日 |
とくに最後の返信は外に出しにくい仕事です。物件の空き状況と条件の可否は、社内でしか答えられません。DMを受け口にするなら、返信の担当と営業時間を先に決めてください。
依頼先を探すときの判断軸はインスタ運用代行の比較記事が参考になります。
費用の比べ方——月額ではなく条件を揃える
費用は月額の金額だけでは比べられません。投稿本数と制作方法で中身が変わるためです。比べるときは、次の3つを同じ条件に揃えてください。
- 月に何本作るか(本数)
- 撮影に来るのか、自社が撮った素材の編集だけか(制作方法)
- 表示事項の確認を含むか(不動産では、ここが含まれるかで負担が変わる)
自社運用と比べる場合は、社内の人件費に換算します。1本の投稿に撮影30分・編集60分・確認15分かかるとします。月8本なら合計14時間です。この時間に担当者の時給を掛けた額が、自社運用の実際の費用になります。外注の見積と並べるのは、月額ではなくこの金額です。
業務範囲ごとの金額帯はSNS運用代行の相場の記事にまとめています。
不動産のSNSマーケティングに関するよくある質問
不動産ではどの媒体から始めるべきですか
商材で決めます。賃貸と注文住宅はInstagram、売買はYouTubeが基本線です。賃貸と注文住宅は写真と短い動画で判断材料が伝わり、売買は長さのある解説で信頼が積み上がるためです。複数を同時に始めず、まず1つに絞ってください。担当者が1人なら、2媒体目は3か月後に考える形が現実的です。
投稿はどのくらいの頻度が必要ですか
本数の正解より、続く体制から逆算するほうが確実です。週2本を3か月続ける前提で、撮影と編集の時間を業務の中に置けるかを確かめてください。置けないなら週1本に落とします。賃貸は物件が出るたびに投稿するため、実際の本数は空室の数に連動します。
反響が出るまでにどのくらいかかりますか
商材によって時間軸が違います。賃貸は投稿単位で反応が出るため、数週間で内見の申し込みが入ることがあります。売買と注文住宅は、判断材料が積み上がるまでに3か月から6か月を見ます。前に挙げた保存・プロフィール閲覧・問い合わせの3つを毎月記録し、どこが動いたかで進み具合を判断してください。
物件写真だけの投稿でも効果はありますか
写真だけでも保存はされます。ただし保存で止まりやすくなります。写真に加えて、家賃や設備の条件と、次にどうすればよいかの1行を入れてください。「詳しくはDMへ」より「空室状況はプロフィールの一覧から」のように、行き先を指定するほうが動きます。取引態様などの必要な表示も、写真だけの投稿でも同じく確認の対象になります。
不動産専門のSNS運用代行に頼むべきですか
不動産専門であるかどうかより、表示事項の確認を業務に含めるかで選んでください。不動産に慣れた会社は、取引態様の記載や成約物件の取り下げを手順として持っています。専門をうたわない会社でも、自社の確認工程に組み込めるなら任せられます。問い合わせのときに、表示の確認を誰がどの順番で行うかを聞いてください。
まとめ:商材に合う型を決め、反響を数える
不動産のSNSマーケティングについて、要点を整理します。
- 設計は商材で変わる。賃貸は数と回転、売買は担当者への信頼、注文住宅は暮らしへの共感
- フォロワー数ではなく、保存・プロフィール閲覧・問い合わせの3つを追う
- 投稿とプロフィールの両方に「次の一歩」を置かないと、反響には変わらない
- 宅地建物取引業法と表示規約のルールは媒体が変わっても同じ。確認と取り下げの担当を先に決める
- 若い層には物件単体ではなく、暮らしと街で見せる。街の紹介は在庫に左右されず使い続けられる
まずは自社の商材を賃貸・売買・注文住宅のどれか1つに決め、追う数字を3つ書き出すことから始めてみてください。ここが決まれば、何を投稿するかは自然に絞られます。
株式会社FIZは、Z世代に届くSNSマーケティング・インフルエンサー施策に強みを持つ会社です。三井不動産の複合施設sequenceでは、イベントとインフルエンサー施策を担当しました。ほかにホテル・自治体・エンタメ施設のプロモーションも手がけています。若い層に街と施設を知ってもらう設計についてのご相談は、お問い合わせページからお願いします。